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【地獄合宿】TSUBASA DUNK 4【ふみいりました】


[457]TSUBASA DUNK:2008/11/11(火) 16:22:36 ID:+H4kcWVw
>相手PGのせりあい→  ハート4 +(せりあい)35
>猪狩のせりあい→  JOKER +(せりあい)34
>(攻撃側の数値)−(守備側の数値)が≦−1→猪狩が勝ち、味方ボールに!

先ほどの高頭の言葉だが、それはもちろん猪狩にも当てはまる。プライドの高い彼は、常に他人より
自分を上位と考えており、そのせいで敵を侮ったり、味方を過小評価したりするくせがあった。
それは自分の実力を完全には発揮できないことにもつながっていた。

相手を侮れば、自分の全力以上のものは出ない。

また、味方を過小評価すれば自身の無理なプレーが多くなる。本人は嫌がるかもしれないが、猪狩が
最もその実力を発揮できるのは、誰かを活かすためのプレーである。彼はシュートよりもドリブルや
パスにセンスがあった。

そんな猪狩だが、翼のレベルの高いシュートを見て考えが変わってきていた。それは翼が初心者で
あったからである。経験者で猪狩より上手いものは何人もいる。しかし、そういう人間を見ても
「バスケ環境の差」と目を逸らしてしまう弱さが猪狩にはあった。

しかし、翼は完全な初心者である。最初はこの部内戦に出場することもできなかった。それがたまたま
自分のチームから退部者が出たために、いっしょにプレーする羽目になった。それは上に上がるための
枷であったが、それと同時に上がれなかった時のいい言い訳になると考えていた。「初心者が2人も
いたから自分も満足なプレーができなかった」もしもの時はそう言えばいい。そんな甘えがあった。

しかし、この試合で翼はすばらしいシュートを見せていた。そのフォームは自分より上どころか、海南の
ユニフォームを着ている先輩たちにすら迫るレベルだった。初心者のはずなのに。

言い訳のできない負け。それが猪狩のプライドをはぎ取った。そして、翼を認め、自分は点を取るのではなく、
翼がシュートを打つための道を作ってやることが仕事だと割り切れるようになった。そして、それが猪狩を
より高いステージに導くことになるのだが、そのことに自身はまだ気づいていない。


0ch BBS 2007-01-24