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1- レス

 「松山にも、光を」


[787]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 14:13:56 ID:???
<三年目・夏>

 今まで、松山くんはロクに出なかったインターハイ。彼はその鬱憤を晴らすかのように活躍した。

 北海道では、もう、一対一で彼を止める者:止められる者はいないだろう。

 いるとすれば、リサリサか。神がかった時の矢野上くんくらいではないだろうか。

 北海道予選は当然の如く優勝。既に「強豪」と言われるようになった。

 でもまだ「松山のワンマンチーム」と言われているのが、松山くんに取っては悔しいらしく。そんな記事は叩いていた。
省15

[788]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 14:15:25 ID:???
 さて。肝心のインターハイ、全国だが、、、これも結論から書こう。ふらの高校は負けた。

 運が悪かったことも一因だ。あの時、ポストの少し内側に当たっていたら。逆にあの時、ゴールバーの数センチ上だったら、、、

 いや、「たられば」は禁物だろう。不運でもない。実力で負けた。ただそれだけのことだ。

 ベスト16にはなったけど、松山くんは不満そうだった。

 せめてもう少し上がれば、南葛と戦えたのに、と。
省18

[789]森崎名無しさん:2009/04/20(月) 17:47:23 ID:???
展開はええ!
このままエンディングに一直線かな?

[790]森崎名無しさん:2009/04/20(月) 19:20:49 ID:???
もう終わりが近づいてきてるな

[791]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 20:57:33 ID:???
<三年目・秋>

 今日はサッカー部の練習が休みの日だ。

松山「、、、なあ」

 松山くんが、口を開く。

松山「、、、一年の時から。いつもマネージャー、ありがとう。うまく言えないけど、俺、凄く感謝してる」

 どういたしまして。

松山「部員集めたり、顧問先生探したり。いつもいつも、ついてきてくれて。助けてくれたよな」

 そうだった?私は、特に何もしてなかったけど。

松山「勧誘したりさ。矢野上とか。いろいろ後押ししてくれたじゃないか」 省2

[792]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 20:58:50 ID:???
松山「なあ、藤沢。正直、俺も。一人っきりだったら、ここまで頑張れたかどうか」

 、、、弱音?『らしくない』んじゃないかな。

松山「弱音じゃないよ。単純に、感謝してるだけだ」

 うん、、、ありがと。

松山「で、その。なんだ?えっと、アレだ、、、」

 何よ。

松山「そう言えば、昔さ」

 うん?


 それから彼が言ったことは。
 残念ながら、今のところ、誰にも教えるつもりはない。


-----

[793]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 23:10:58 ID:???
<三年目・冬>

 冬の選手権も終わった。結果は、敢えて書かないでおこう。でも松山くんは、まあ満足しているようだった。

 後輩たちにうまく引き継ぎ、ふらの高校は、サッカー強豪高校と言われるようになった。

 三年生は引退したが、ヒマな時はコーチ代わりをしたり。スポーツ推薦の人間は普通に練習している。

 そして松山くんも同じように、練習していた。
省16

[794]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 23:12:10 ID:???
 さて。その全日本ユースへ合流する当日。私は松山くんを途中まで見送りに来た。

 正確には、、、みんなで見送りに来たんだけど、みんな途中で帰っていった。

 それぞれ「練習しなきゃ」とか「塾があるから」とか「バイトの時間だ」とか言っていたけど。

 気を利かせた、ということだろう。おかげで松山くんとは二人きり。

 そして、、、当の本人は、やはり鈍く。その話を100%信じているようだから始末が悪い。

 将来、マルチ商法とかに引っ掛からなければいいけど。 省2

[795]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 23:13:28 ID:???
 鈍さと言えば。

 一人の人間の未来なんて、とても些細なことで変わるんだと思う。

 私たちにとっては、ハチマキだった。
 あれが私を苦しめ。そして彼を、もっともっと苦しめた。

 それは二人とも、鈍かったからだと思う。

 でも見つめあって、ほんの数分、言葉を交わしただけで。そんな苦しみが吹き飛ぶこともある。
 私と松山くんは、、、どうだったっけ?二人とも、最後に大笑いしたことは憶えている。

 中学時代。私は「淑やか」と形容されてた。
省8

[796]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 23:14:47 ID:???
 人生における、些細なこと。それで変わる未来。

 でも、それすらも、また些細なことで変わる。

 要するに、どうにかなる。もしくは、どうにもならない。

 人間にできることは、その「些細なこと」をやるだけ。

 例えば今なら、、、


松山「あ、そろそろ時間だな」

 そう、、、だね。

松山「じゃ、行ってくる。色々とありがとうな、藤沢」

 うん。

 立ちあがって。歩き出す松山くん。そう、彼の新たなる出発だ。

 私は。
省2

[797]松山にも、光を ◆ruHClhdQos :2009/04/20(月) 23:16:01 ID:???
 数年前とは比べ物にならない行動に出た。

 客観的に見れば。大きな声で叫ぶように言っただけ、ではあるが。


 光! 行ってらっしゃい!


 松山くんは、やや驚いた表情で振り返り。それから彼も大声で、答えた。 


松山「美子! 色々とお土産、待ってろよ!」


 才能のない人間が。努力のみで『活躍』すること。
 それこそ、彼がいつも持って帰ってくるお土産だ。


省4


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