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【天才と】キャプテン松山11【凡才と】


[665]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/06/12(金) 21:35:40 ID:???

A スタジアム


松山「スタジアムへ運んでください」
紫「寄り道はなし? わかったわ」

あっさり受け答え、空間が裂けて松山を飲み込むようにスキマが開ける。

紫「試合まで研ぎ澄ましでもするか、うろつくかは好きにしなさい。それじゃ……健闘を祈るわ」
松山「……今日はありがとうございました。なんか少しすっきりした気持ちです」

それは偽りなく本心からそう思えた。
裏切り者と、はっきり言われた。けどそれが逆に靄を晴らしてくれた……そんな気がする。

紫「なら貸しにしておきます。私の貸しは高いわよ?」
松山「いっ!? あ、いや! お、お手柔らかに」

紫の貸しと聞いて、アレな想像をし……それ失礼だと自己完結して、やっとのことで当たり障りなく返す。
紫は、そんな松山の狼狽と不器用さを、どこか懐かしむような愛でるような、そんな風に見つめて……
手を動かし、スキマに上半身を沈めて自分の腰まで低くなった松山の頭をくしゃくしゃと乱暴に撫でた。

紫「可愛い可愛い。霊夢にも君みたいな初心さが残ってたらいいのに」
松山「……いや初心って言うんなら、霊夢さんだって……うわっ」

それ以上の会話はできなかった。強制的にスキマに飲み込まれて、松山の姿は空き地から消える。
スキマが閉じ、吹きつけた風が、残る紫の金色の髪を揺らした。

紫「今回は少しお節介が過ぎたわね……。ま、帳尻は今度合わせましょう」

その時は、松山は、霊夢も、きっと極めつけの渋面を浮かべて喜んでくれるだろう。
想像をし、うきうきと心待ちにしてしまう……そんな自分の心境まで楽しみながら、紫も棲家へと帰った。



0ch BBS 2007-01-24