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【橙の】幻想のポイズン8【反抗期】


[975]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2009/08/17(月) 23:52:36 ID:???
そして、後半。
前半の様子から見て後半こそは一気に緋想萃夢格闘一派が攻勢に出るのかと思いきやまるでそんな事はなく。
後半が開始されてからも数十分の間は試合が動かない酷く退屈な試合となってしまう。
しかし、そんな時。不意に名無し妖怪チームが緋想萃夢格闘一派のディフェンスを抜けてゴール前へと切り込んだ。
ここに来てようやく訪れた名無し妖怪チームのシュートチャンス。
ボールを持っていた妖怪は思い切ってノーマークの状態からボールを打ちつけるが……。

バチィッ!

快音が鳴り響くと同時に、ボールは一気に跳ね返されセンターサークル付近まで飛んでゆく。
一瞬、何が起こったかわからない観客達だったが……。
ゴール前、にやにやと笑いながら瓢箪を片手に酒を飲む赤ら顔の少女の握りこぶしを見てようやく状況を察する。
あの一瞬、萃香はあの態勢――瓢箪を片手に持った態勢から、パンチングをしたのだ。

反町(……殆ど無防備に近い状態の筈だぞ。 あんな状態で、セービングが出来るなんて……)

思わず息を飲む反町を尻目に、中盤へと飛んでいったボールは衣玖がフォロー。
残りの試合時間も少ない事を確認した衣玖は、そのボールを再び自身で運び攻めあがっていく。
後半に入ってようやく到来した攻撃のチャンスに、天子も再び顔を明るくし、衣玖にボールを要求したが……。

ズバアアアッ!!

なんと、衣玖は今度は天子へとラストパスを送らず自身でミドルシュートを打ち放った。
呆気に取られる天子、そして名無しの妖怪たちを無視し。
シュートはゴールへと突き刺さり、ゴールを告げる笛が鳴り響く。

そしてその後、結局名無しの妖怪連合の逆襲があるはずもなく。
2−0というスコアで本日の第二試合、緋想萃夢格闘一派vs名無し妖怪連合の試合は終了した。


0ch BBS 2007-01-24