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【夏はまだ】TSUBASA DUNK11【終わらない】


[340]TSUBASA DUNK:2009/09/21(月) 02:18:04 ID:Ovft1v0E
海南大附属高校では毎年優秀な成績を上げるバスケ部をサポートするために、歴代監督に選手を
スカウトする権利が与えられていた。そして、それは高頭監督も例外ではない。しかし、彼は
その権利を使うことはほとんどなかった。

「選手は育てるものだ。集めるものではない」

それが教育者としての高頭監督の信条だった。もちろん、名門である海南には放っておいても
各中学校のエース級が集まってくるから言える言葉でもあるのだが。

高頭監督がスカウトの権利を使ったのは今までに2回だけである。ひとりは今年入学した横島。
高校時代からの先輩である宮益医師の強引な推薦を断りきれず、入学させた。

そして、もうひとりが武藤である。

武藤もやはり宮益医師の推薦で入学させた選手である。どこで見つけてきたのか知らないが、
各中学からエースが集まる海南バスケ部の新入部員の中で、武藤は群を抜いて下手だった。

牧に敵わないのはもちろん、高砂にゴール下で吹き飛ばされ、小菅にドリブルで抜かれ続けた。
そして、いつからか他の選手の練習にならないからとコートの隅で練習するようになった。

屈辱だったが、それでもバスケ推薦で入った武藤はバスケ部を辞めることは出来なかった。

見かねた高頭監督は、毎日付きっ切りで武藤にバスケを教えたのだった。そして、厳しい練習に
新入部員が辞めていく中、武藤は成長し、2年の終わりにはレギュラーになったのだった。


0ch BBS 2007-01-24