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1- レス

【目指せ】キャプテン松山15【SSP】


[964]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/10/27(火) 16:13:39 ID:???

思ってもみない反応。 既に全て聞き及んでる美鈴には当然の反応。
徒歩のポブルセンと違い、紅魔館の人員は飛行が可能だ。情報の伝達も早い。
故に、歩いてきたポブルセンの帰還よりずっと前に、美鈴は主人のレミリアが下した非情の決定を耳にしていた。

ポブルセン「何やってるもねえだろ寝てばかりでボケたか? 試合が終わったから休みに戻って来たんだよ」

その言葉に致命的な認識欠如を察して、美鈴は絶句してしまう。
幻想郷、吸血鬼の館に住まいながら、皆目危機意識を持たずにいた外来人の少年。
今の彼が、この門の前に立ってるということは、絞首台の前に立つのと同然というのを彼だけが理解できてない。
美鈴は悩んだ。この人間の命と、お嬢様の命令。紅魔館一、いや幻想郷一の門番として優先すべきは勿論後者だが……
青い空と紅い館を背にする門番の高らかな宣言が響き渡った。

美鈴「……今すぐ去れ! 私の役目はこの門を守ること。貴様がこの門を潜るなら全力で排除するぞ!」

ポブルセンが何かを言う前に、美鈴は動いた。熟達した歩法で間合いを詰めた。
弾幕ごっこや、サッカーを離れれば、純粋な体術で彼女に叶う人間など、稀にしか居ない。
反応さえさせずに足を払う。転ばせた次の瞬間には、気を練り、纏った拳でポブルセンの顔近くの地面を陥没させる。
その際の打突音は、隕石が落下したかと思う程。実際に穿たれた地面を見れば、巨岩の落下も同然の痕跡があった。
罵声とも悲鳴とも取れる叫び声が少年の口から轟いたが、美鈴は構わず「今度は外しません」と右拳を振り上げ……
必死の形相になって少年は逃走。その背中に向けて、紅魔館の意向を知らしめた。背中がビクリと震えたのを視た。

美鈴「ふぅ……これでいいですよね。私は門番なんだから」

憐憫と、僅かな間であっても、同じ釜の飯を食った者として、美鈴は筋を通した。
些細な仏心だ。それにここで逃がしても、レミリアが本気なら、少年の末路はほぼ決まっている。
幻想郷を紅霧で覆いつくせる吸血鬼。時間操作を可能にするメイド長。彼女の指揮する大勢の妖精メイド達。
その網から、単独の外来人の少年が逃げ果せる可能性など、0コンマ以下だ。
どう転ぼうと最早会うことはないだろう少年の、おそらく冥福、そのために目を瞑り美鈴は祈った。そして寝た。



0ch BBS 2007-01-24