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【目指せ】キャプテン松山15【SSP】


[965]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/10/27(火) 16:14:56 ID:???

それからの逃避行は、ポブルセンにとって未知にして恐怖の体験だった。
いつも寝てばかりで、門番を解雇されたりしていた華人娘が見せた妖怪の力……心底震えが走った。
あと少しで、顔面を砕かれるところだったのだ。豪気な彼でも、紅魔館には戻ろうとする考えは到底持てなかった。
ここに至って、ようやく彼も気付いた。今の自分には、幻想郷で安全な場所など何処にもないという現実を。
幻想郷の妖怪は、一目では人間と判別など付けられない。人間の里だって、どこに妖怪が潜んでるか解らない。
間を置けば冷静な判断も下せただろうが。
恐慌状態のポブルセンは、誰も住まわなくなった家屋を見つけるや駆け込み、荒くなっていた息を整えた。
駆け込んだ場所は廃墟だ。人気もなし臭気がきつく、昼だというのに殆ど真っ暗だ。
暗くて躓きかける。悪態をつき、何かはわからないが、転がってる家具を自慢のキック力で乱暴に蹴り飛ばした。
途端に、闇中から何かが襲ってきた。悲鳴を上げて両腕で振り払うと、蝙蝠が欠けた窓から逃げていった。
羽音を耳にして、レミリアの顔が浮かぶ。
過去相手にしてきた喧嘩相手など比較にならない。恐怖の妖怪のイメージで再現される。

ポブルセン「ち、ちっきしょう……! 何で? オ、オレがこっこんな目に? ……くそおお!!」

精一杯吼えて、悪態をつくことで。僅かに恐怖を和らげたが、外をうろつく気にはなれずに……
彼はそのまま、比較的汚れが少ない部屋へ移動して……太陽が沈み、夜が訪れても、廃墟で動かずにいた。
そして……彼の耳にキシキシ床を軋ませる誰かの足音が聴こえた。
顔だけでなく全身が蒼褪めるのを止められない。一定のリズムで足音を立てて近づいてくるのは何者か?
呼吸を潜めて待っていると、半壊した部屋の朽ちたドアノブがガチャガチャと回される。そして……!



0ch BBS 2007-01-24