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1- レス

【神の山から】キャプテン松山16【人の里へ】


[35]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/10/29(木) 00:44:28 ID:???

十年来、いやそれ以上の友人に語りかけるような……陶然としたレミリアの声。
怒りの色も何も浮かべず、無邪気に(無慈悲に)笑いながら……レミリアは左手を軽く振った。
五条の紅色で暗闇が引き裂かれた。 レミリアの真紅の爪が鋭く伸びた。
大型肉食獣でも容易く屠れそうな程、鋭く禍々しい。じっとりと血を垂らしたような爪がドクンと脈動した。
否……爪が紅いのは血を垂らしたのではなく。その爪はレミリアの血が鋭く形を変化させたものだった。

レミリア「この夜だけはお喋りに付き合っても良かったんだけど……無粋な邪魔が入りそう。だから」

ごめんね、と恐怖に凍えるポブルセンが聴いた時には、レミリアが彼の腹部を撫でていた。
熱いと認識したのも一瞬で、赤いものが足元へ垂れて、その量がどんどん増していく。

レミリア「それじゃ、さよなら。縁があったらまた会いましょうね?」

痛みより、覚えたのは喪失感と強い眠気。
歪んだ視界を維持できなくなったポブルセンは……膝をつき、前のめりに崩れた。
池に沈んだみたいな音を奇妙に思って、顔を上げてしまう。
一度もお目にかかったことがないレミリア・スカーレットの極上の笑顔。それだけを瞼に残して……
それを幻想郷最後の光景にして、ポブルセンは意識を失った。



0ch BBS 2007-01-24