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【孫康映雪】キャプテン松山17【思わぬ壁】


[797]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/12/10(木) 17:44:13 ID:???

早苗「今の松山君は独りでしょう? 味方する者もいない。援助を行う勢力もない。
    今にも崩れて落ちそうな不安定な道程を、独りで渡りきれる筈ありません。崩落に巻き込まれるのがオチです。
    素直に悪かったと言ってください。そしたら……」
松山「悪いけどさ」

一瞬、早苗の声が、搾り出すような声音に変わったが、そこで冷静さを取り戻した松山が軽く右手を上げて割り込んだ。
馴染みの友に話すみたいな気楽な口調で、しかし揺らがない気持ちを込めて……松山は言った。

松山「俺も分かってなかったかもしれない。けど東風谷さんだって分かってないことがあるよ」
早苗「何を分かってないというんです?」
松山「そういう無駄な意地を張り続けて、足掻く奴もいるんだってことをさ。とくに俺の知人にはそういう奴が多い」

功名心や向上心を忘れずに地球の裏側まで行く奴らに、ハンデを抱えたまま闘病を続け苦しむ奴。
そんな何人かの顔を浮かべながら、早苗に聞かせた松山は、自分でも驚く程穏やかな心境になれてることに気付いた。
松山の言葉が終わると、早苗も咄嗟に言葉が浮かばないらしく、浮かせてた腰を椅子に下ろした。

早苗「……」

シン……と静まり返った店内で、先に破ったのは松山が扉を開ける音だった。
今度こそ話は決着したと背を向ける。早苗の呻きが聴こえた気がしたが、松山は振り返ろうとしない。
扉を開けて、半身店の外へ出したところで。

早苗「後悔しますよ」
松山「しない。絶対にするもんか」

分からず屋、と非難するように囁かれた小声を、松山は心に刻み込むも返事はしないまま立ち去った。



0ch BBS 2007-01-24