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【井の中の虎】キャプテン森崎34【大海を知らず】


[375]2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/15(火) 07:18:03 ID:xoeFr05+
森崎は落ち込んだ表情を隠せなくなり、それを誤魔化す様に岬が注ぐウーロン茶の湯気を眺めた。
岬も黙って二人分のウーロン茶を淹れてから椅子に座り、二人の間に沈黙が訪れる。

森崎「…岬、教えてくれ。あいつが俺を疎んでいる様子はあったか?」

岬「僕の知る限りでは皆無だよ。高校では時々君の電話の内容を話す事もあったし、リハビリに励んでいる頃
励ましに行ったら”今頃森崎はもっとキツいトレーニングをしている筈だ”と言っていた事もあったよ」

森崎「そうか…じゃあ、なんであいつは…心当たりは無いか?」

岬「そうだね…推測だけど、中山くんは君にどう接すれば良いか分からないんじゃないかな」

森崎「(どう接すれば良いか分からない…三杉も同じ事を言っていたぞ!)俺と実力差が開いたからか?」

岬「いや…それだけじゃないと思う。確かに僕も含めて皆君とあまりにも差がついてしまった事に悩んでいる。
中山くんもその事実を持て余していると思うよ。だけど彼の場合、それは結果であって原因じゃないんじゃないかな」

森崎「結果であって原因じゃない…?どういう意味だ?」

まるで謎かけの様な話し方をする岬に森崎は戸惑う。岬はお茶を一口啜ってから再び口を開いた。

岬「中山くんは良く言っていたんだ。森崎と肩を並べて戦いたい、胸を張ってあいつと共に世界を目指したい。
3年間それを心の支えにしていたみたいで、試合中にそれを小次郎に公言する程だったよ」

森崎「………!」

岬「だけどそれが不味かったかも知れない。小次郎はそんな中山くんをあざ笑ったんだ。
森崎の犬で居るつもりか、森崎に勝つつもりはないのか、そんなつもりだから俺には勝てないんだ…
そういう内容の言葉を言われたらしい。先月の全国選手権で優勝した時にね」


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0ch BBS 2007-01-24