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【サッカー少年】キャプテンEDIT【奮闘記】


[179]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:06:05 ID:???
―― 一週間がたった。
他の部活のマネージャーになる気も起きず、嫌々続けていた稽古を思い出す文化系クラブには入れず、
まんじりと入部期間を潰していた。
そこでたまたまサッカー部の練習に通りすがったのは、どういう気まぐれだったろうか。

一週間前の少年が、ボールを蹴っていた。

周りにいるのは自分より格上の選手たち。それを相手に、何度も無様にボールを奪われ、何度も滑稽にボールを求めた。
その顔は、何度も悔しさを滲ませたが、同じ回数、笑顔も浮かべる。
一週間前の挫折を忘れたように、その少年はサッカーに打ち込んでいた。

(ああ、サッカーって、そんなにいいものなんだ)

少年の姿からそんなことを思って、マネージャーになれなかったことを、またぞろ悔んだ。

サッカー部が、マネージャーの募集を始めたのは、その翌日のことだった。
発案者は、スタッフワークの不備を指摘した1年生だという。忙しいと評判の主将にそんな注文をつけるとは、大した度胸だった。
ともかく、菱野の願いの筋から言えば、その1年生には感謝の意を伝えるべきだろう。

小豆沢『え? その1年にあってお礼が言いたいって?』

キャプテンの小豆沢に申し入れた願いは、二つ返事で叶えられた。大した手間では無かったからだろう。
入部初日のあいさつの前に、偶然を装って個人的に時間を作ってくれるそうだ。
そうして、三度、彼の顔を目にすることになった。

小豆沢『――全員に紹介する前に、彼にくらいは先に会っておいた方がいいと思ってね。
彼が、マネージャーの募集を提案した大前だよ』

……驚きを顔に出さなかったのは奇跡だった。
自分と同じ日に入部を諦めかけ、自分とは違って諦めなかった少年。
そんな彼が、如何なる配剤か、自分をサッカー部に引き合わせた。
まだ十二歳の少女は、そこに運命を感じたのだった。


0ch BBS 2007-01-24