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【防弾ガラスの】キャプテン三杉2【貴公子達】
[194]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw
:2010/02/23(火) 12:30:39 ID:???
ソビエト崩壊の影響により、国からの保障を一切失ったディナモ・モスクワは
活動できる状態ではなくなってしまった。サビチェビッチはワールドトーナメントに
出場して世界に再び“ラシン”の名を轟かすつもりだった。祖父のため、自分のため。
これまで順調に進めてきた夢の歩みは、突如目の前に現れた壁により閉ざされてしまった。
よしんばワールドトーナメントまでに国家が安定し、出場が叶ったとして、練習を
まともに出来ない状況がこれからどれだけの期間続くか分からない。そんな状況では
実力を現状維持する事も難しいのは自明の理であった。ワールドトーナメントに
出場しても大きな活躍ができず“ラシン”の名を汚してしまう未来図が彼の頭に描かれた。
サビチェビッチは絶望していた。試合経験が薄い自分がどこまで出来るかは分からなかった。
だが挑戦に値する才能を継ぎ、最高の教育を受けてきたと信じていた。それで正々堂々戦い、
それで負けるというならば納得も出来た。だが、国家崩壊という雲の上の事件によって
戦う権利すらも奪われてしまった事は若い彼にとって無念以外の何物でもなかった。
光輝いていた彼の両目はこの日を境に徐々に濁っていくのである。
これを好機と捉える人間が世の中にはいるものである。通常では知り得ない情報を得て、
通常では有り得ないような手段を扱える人間――アラブの石油王、ナジーブ・ユプンタイは
その稀な人間の中の一人であった。彼はジョアンのビジネスパートナーであり、FIFA創設者
の血縁に働きかけ、個人としてワールドトーナメントの出場枠を手に入れた非常識極まり
ない人間であった。
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0ch BBS 2007-01-24