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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】


[318]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:11:53 ID:ShjjSqVH
話が進む毎に翼の顔と声は固く重くなっていき、それは最早叶い始めた夢を追う若者ではなく
終わりが見えない戦争に徴兵された若者の様な姿だった。三年間思い描いてきた前向きで凛々しい翼とは
あまりにも違うその様子に早苗は恐怖で竦み上がり声が出せなくなってしまう。

翼「なのに…(なのに、なんだか不愉快で堪らないんだ。森崎に勝ってプロ選手になれたのに、念願をいくつも叶えたのに)」

早苗「(つばさ、くん、よね…?私が好きな翼くんなのよね?)」

翼「(…ってこんな事早苗ちゃんに言えないよ!何考えているんだ俺!…あれ?)早苗ちゃん?どうしたの?」

ようやく翼が我に返った時、早苗は自分を抱きしめながらガタガタ震えていた。
慌てた翼が普段の顔と声に無意識に戻り、それを見た早苗も怯えが収まる。



だが二人の破滅はここからだった。



翼「ゴ、ゴメン!俺、何か傷つける様な事言ったの!?」

早苗「う、ううん。そうじゃないの。ちょっと怖かっただけ…」

それは、早苗にとってはなんでもない一言だった。



翼「怖かった?お、俺が?」

早苗「うん…さっきの翼くん、なんだか凄く張り詰めた表情と声で…」

目の前の恐怖から解放されて深く考えずに出した素直な一言だった。


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