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【どん底からの】キャプテンEDIT2【出発】


[584]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:21:30 ID:HdLKyJYM
実況「翼くん、バイタルエリアに切り込みパスを……ああっと、これはワンツーだ! 折り返しで高い球が上がる!
これは翼くん得意の――」

翼「いっけえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」

金成「あ、れは……」

実況「――オーバーヘッドキックだぁ!!」

喧騒に気付き振り向いた金成の目に、その名の通り大空高く舞う翼の姿が目に移った。
清栄の守備陣は県大会の鳴紋戦と同じく、5バックの陣形でガッチリとエリア内を固めてはいる。
間に合わなかったMFも巻き込んだリトリートには及ばないまでも、充分に堅固な布陣だった。
だが、あれほど高く跳ばれてはクリアーも覚束ないだろう。
そして、その名の通り頭を越えるようにして、呆れるほどに高い打点から打ち下ろされるシュート。
それは、まるであらかじめゴールすることが定められていたかのように、誰にも触れられないままネットに突き刺さった。

実況「決まったあァァァ!! なんと、ここで駄目押しの六点目です! そして、翼くんはこれでこの試合、ハットトリック達成!
MFに転向しても、その決定力は衰えません! やはり、この少年だけは物が違う! 正にサッカーの申し子だァ!!」

ウオォォォォォォォッ…………!!

観客「か、かっけえ……!」「翼っ! 翼っ!」「中学でも、翼がナンバーワンだ!」

翼「よぉし、やったぞ!(池上先輩の顔を立てて、あの人もハットトリックするまで我慢してたけど、ずいぶん待たされたよ。
こんな連中からなら、前後半合わせて五得点は固いのに。ま、義理は果たしたし、二回戦からはハナから本気でいいか。
観客もそれを期待してるみたいだしね)」

森崎「けっ。勝ちの決まった試合で、不必要に目立ちやがって。この俺のように、格下には加減する度量を身につけろってんだ」

あまりにも美しいゴールシーンに、会場が一丸となって沸き上がる。
金成はその大歓声に打ちのめされたかのごとく、ピッチの芝に膝をついた。


0ch BBS 2007-01-24