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【覚醒祭】キャプテンEDIT4【開催!?】


[517]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:15:25 ID:???
控え室から出た途端、菱野は膝から崩れ落ちた。
胸が痛い。不安と焦りが渦巻いていて、心臓が怖いくらいの早さで鉦を打っている。

菱野「う……くっ……」

喉から漏れる嗚咽を、ほとんど必死になって押し殺す。
――本当は、長池のしたことを怒っていた。
飯地の進退が懸かった試合を、そうとは知らないとはいえぶち壊しにしかけた彼が、憎かった。
傷の手当てを手当てをしながらも、ともすれば恨み言を吐きそうになる自分を、必死に押し隠していた。

菱野(嫌……こんな私、絶対に嫌……!)

黒い感情を『マネージャー』の仮面で覆って澄ました顔をする自分に、嘔吐を催すほどの嫌悪を感じる。
それでも長池に思いの丈をぶつけずに済んだのは、自分の首を賭けながらも努めて冷静に振舞う飯地のため。
そして、長池が大前にとって大事な先輩であるためだった。

菱野(わ、私、大前さんに嫌われたくないからって、あんなに良い子ぶって、自分でも信じきれてないことを口にして……。
こんなの、こんなの私がなりたい私じゃない!)

理想のマネージャー像と今の卑小な自分に感じるギャップ。
部内で最も身近な人である飯地監督がいなくなるかもしれない未来への不安。
思い人である大前が苦境にあるという状況がもたらす苦痛。
心にため込んだ感情を吐き出せない葛藤。
内側から突き上げる様々な感情に、菱野の胸は今にも張り裂けそうになっていた。

菱野「た、助け、てください……。大前さん……おおまえさん……」

子どものように力無く蹲りながら、ついにはそんな祈りめいた言葉が口を吐いたのだった。


0ch BBS 2007-01-24