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【新たなる】キャプテンEDIT5【道へ】


[767]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:48:58 ID:???


菱野『……手も足も、目も耳も……ここで鼓動を刻んでいる心臓も……全部、今だけは私の……』


その言葉は本当のことだったのだろうか。
仲間たちが騒いでいる宴会は、すぐ傍で開かれている。
だというのに、今の自分の視界には菱野の顔だけがあって、耳には彼女の吐息や、あるいは衣擦れの音しか届かない。
誰もいない別世界で、二人きりになってしまったような気分だった。

大前(どうしちゃったんだろう、俺……まさか、気が付かないうちに酒の混じった飲み物でも飲んでいたのか?)

脳髄が甘く蕩けていた。思考がじりじりと麻痺し、無性に動悸が高鳴る。
何かが『この状況は良くない』と声を上げていたが、聞く耳は持たなかった。
……手も足も、目も耳も、今は全て彼女のものであるが故に。

菱野「……あ」

不意に、菱野が小さく声を上げた。既に大前の身体のあちこちに触れ、既に彼女の手の及んでいないところはない。
……その数少ない例外に、菱野は視線を注いでいる。

大前(俺の……くちびる……?)

普段の様子が嘘の様に奔放だった菱野も、流石にそこに触れることには躊躇っていた。
それも当然のことだろう。
異性の唇に触れるということは――やはり特別な意味があることなのだ。

菱野「……」

そっと、菱野の身体が離れていく。
二人の時間はもうお終い。
そう言われた様で、何だか堪らなく切なくなる。


0ch BBS 2007-01-24