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【火の鳥と荒鷲と】キャプテン松山24【地獄の鴉】


[619]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/07/09(金) 23:53:47 ID:???

紫「でもそうまでしても、決して全国には手が届かなかった。何故かしらね?」
松山「……。それは……南葛や東邦が俺たち……ふらのより強かったからだ。
   どんな言い訳を重ねても、強いチームがコマを進めた。それが結果であり全てだ」
紫「そうね。松山君が体験してきた重みがある。けれど大正解ではないわ。
  教えてあげる。もしふらの中学が全国で最も強い世界があっても……決して優勝は叶わない。許されないの」
松山「――――」

松山は何を言われたのかわからず思考停止に陥った。
ハンマーで殴打されたように体を揺らして……理解に至ると。
どこからか重苦しく獣じみた唸りが。それが自分の口から響いたのに気付くが自制には成功した。

紫「良い自制心だわ。 ……話を続けるわね。
  並列世界はね。目に出来なくとも存在するのよ。松山君の世界も勿論幻想郷も、内包する可能性の数だけある。
  別の世界では、松山君でもフライハイト君でもない独逸の外来人が守矢に召喚されてるかもしれないし。
  また別の世界では、松山君が海外、イギリスのプレミアリーグに乗り込んでる世界もあるかもしれない。けどね」

紫が溜めを作った。次の一言は、松山の臓腑を裂くような痛みを与えるものだが、聞き逃すなと宣告するかの様に。

紫「微細な分岐を幾度も迎え、新しい可能性に至る世界でも、ふらの中学が優勝することだけは決して無い。
  そうなれば、可能性に含まれない歴史を辿った歪な世界が誕生してしまうのよ。そして時間は巻き戻るか遡る。
  だからどんな世界でも、ふらの中学は敗れずにはいられない。……そうあってこそ、他の可能性が生まれ育つの」
松山「何……っ……だよそりゃあ!!!? じゃあ何か!!?
   俺の、俺達の、雪国の大地に揉まれてサッカーをしてきた日々が全部無駄だってのか!? ふざけ……!!!」
紫「無駄ではないわ。
  練習を重ねた松山君率いるふらのが敗れてこそ、優勝旗を持ち帰り自信を持って海外に飛び出す選手達が出てくる。
  そして南米の王国にも、欧州の強豪にも引けを取らない精強な全日本が生まれる。それが……」
松山「――――――――っ!」



0ch BBS 2007-01-24