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【メイドの】南葛vs幻想10【逆襲】


[592]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:35:13 ID:???
霊夢「……魔理沙」

魔理沙「うふ、ふふふ、うふふふふ…
     逢いたかったぜ霊夢、うふふ。私を捨てて、すごいな霊夢は」

幻想郷、No.1サッカーチームを決める大会準決勝。
【博麗連合】vs【霧雨恋色マジック】が始まろうとしていた。

博麗連合は、準々決勝で奇跡的に勝ち上がってきた【人里連合】を僅差で下し。
【霧雨恋色マジック】は、【AQN外道衆】を文字通り粉砕して勝ち上がった。

【AQN外道衆】には、FWにシュートの名手【レ・フュリー】。 省23

[593]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:39:30 ID:???
悲劇が起こったのは、キックオフ直後。
突貫を仕掛けた魔理沙に対して、岬が仕掛けた事から始まった。

魔理沙「うふ、うふふふ…」

岬「不気味な笑みを…でも通さないよ!」

阿求「(キックオフ直後のラッシュは想定の中の一つ…
    シュートは流石に撃ってきませんでしたか……)
    
           では、いきますよ」

阿求のサインの元、一気にDFがラインを上げてコンパクトに守る。
魔理沙の突撃を、スペースの圧迫による守備密度で止める算段だ。 省11

[594]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:41:22 ID:???
岬「飛び込んで来ても、ボクの前には行かせない!」

魔理沙「邪魔なんだよ…私の邪魔をする奴は皆!」

ズガァッ!
密着した筈の岬が、すり抜けた様に抜き去られる。
その際、岬が顎からカチ上げられてしまう。

岬「な……!?
  (肩でのブロックでカチ上げられ…ち、違う!
  "肘"だ!ボクは肘でカチ上げられた……ぐぅ、世界が揺れる!)」

阿求「アレは……!」

実況「これは魔理沙選手、往年のキレがすっかり戻っている! 省5

[595]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:43:14 ID:???
そのまま、プレスの終わっていない守備陣に突っ掛ける。
一瞬左へと体をブレさせ、右にすり抜ける。

実況「おおっ、魔理沙選手独走!
   外道衆が道を開けている様にすら見えます!」

キスメ「何で皆魔理沙に道を開けちゃうの、ヤマメ!?」

ヤマメ「違う!アレは魔理沙のドリブルだ、スピードがある上に技巧もある!
    魔理沙の一瞬のフェイントに騙されたが最後、反応した間に魔理沙は逆に抜けてるんだ!
省18

[596]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:45:05 ID:???
ヤマメ「キスメ、すごいのが来るよ!」

キスメ「!」(コクン、と頷く)

          
              魔理沙「―――“邪恋”」

技名を最後まで言う前に、強烈なシュートがキスメを避けるように放たれる。
当然キスメはシュートボールに向かって飛び込むが。

    シュンッ―――

キスメ「!?
    (ボールが消え……)」

    ――――グシャッ!

キスメの米神を、死角から魔理沙のシュートが撃ち抜いた。 省11

[597]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:49:05 ID:???
     魔理沙「―――『実りやすい』―――」

ヤマメ「…キ、スメの体で、魔理沙が見えない……」

吹き飛んでいるキスメの体の下を潜り抜ける様なシュート。
素晴らしいコントロールとスピード、更に回転。

この3つの要素の揃ったシュートは、ヤマメが気づいた時には既に。
地から跳ね上がり、ヤマメの顔面を捉えていた。

ヤマメ「あ―――」

実況「魔理沙選手のシュートは正面!
   しかしこのこぼれ球にも魔理沙選手が―――」
省7

[598]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:50:17 ID:???
一寸の淀みも躊躇いも無く振り抜かれた右足は。
魔理沙の新しいマスタースパークは。
GKヤマメをも、ゴールネットに叩き込んだ。

実況「ねじ込んだァ!
   魔理沙選手、開幕間もない先制点!素晴らしい活躍だ!」

魔理沙「……フン、個人はどうか知らんが…チームとしては、終わったな」

そう。
この一点で、外道衆は事実上壊滅した。

岬は脳震盪で動きに精彩を欠き、キスメも同じく負傷。
ヤマメに至っては、肩を破壊されて退場。 省8

[599]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:53:15 ID:???
霊夢「アンタ…今、楽しい?」

魔理沙「楽しいかって…?楽しいねぇ、こんなに強い私がさ。
     始めて霊夢に勝てるかもしれないんだ、うふふ

     この人間で、普通の魔法使いの霧雨 魔理沙がな」

霊夢「アンタ…何よ、その、酷い姿は……」

うふうふ、と壊れたトランジスタの様に漏らし続ける不気味な笑み。
切り落して来た様な、乱雑に切り揃えられた髪。
星の色をしていた瞳は、汚濁と欲望にギラついていた。 省15

[600]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 15:59:11 ID:???
霊夢「……完全に狂っちゃったの。
   あんた、月の兎の時みたいに狂気には耐性あるんじゃなかった?」

魔理沙「うふふ、狂ってなんかない。……悪魔にでも魂を売れるから、魔女っていうんだぜ? ふふ」

霊夢「そう……それで、そんな歪なあり方に……」

魔理沙「歪って何だよ? うふふふふ……悔し紛れか? 絶望的な実力差の!
     そりゃそうだよな!今の私は、人間を超越している…妖怪もだ!」

霊夢「……馬鹿。今のあんたは妖怪ですらないわよ。怪物だわ」
省16

[601]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 16:03:42 ID:???
霊夢「怪物退治は専門外なんだけどね」

ピィィィィーッ!
審判が、試合開始の笛を吹くと同時に霊夢がボールを受け取る。

霊夢「眠らせてあげる、その妄執と一緒に」

バシィィッ!
猛烈な回転を掛け、上空にボールを蹴り上げて自らも飛翔する。

魔理沙「へェ、いきなり無想転生か」

対する魔理沙は微動だともしない。
ただ、然としてそこにあった。

霊夢「……」

ギュギュギュギュ……!
タッ…ダダアァンッ!
省3

[602]南葛vs幻想 ◆W.No10nvrU :2010/10/03(日) 16:07:50 ID:???
      「
           博 麗 究 極 奥 義 
             無 想 転 生 
                            」

ボールの落下のエネルギーと、自らの落下エネルギー。
シュート時には全跳躍力と変幻自在のドライブシュート、【無想封印】。
更に蹴り上げた際の回転を加えた、博麗 霊夢最高最大のシュート。

霊夢「…おやすみ、魔理沙」

魔理沙に向けて、放つ。
霊夢の友情の光を、魔理沙に向かって撃ち放った。 省11


0ch BBS 2007-01-24