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【さらば】森崎in異世界完結編【遠き日】


[678]キャプ森ロワ:2011/07/21(木) 22:16:02 ID:???
(必死だな…)
前言撤回。そのバケモノの形相を見てそんなことを思ってしまえる余裕がどうやらあったらしい。
これも年季の成せる技なのだろうか。それともようやく“解放”されるからだろうか。
そんな感傷に浸りながらも肉体はすでに目の前のバケモノの裏を欠くべく利き足である右足を振りかぶる。
「フン!」
それを見て小ばかにするように鼻を鳴らすバケモノ。まぁそれもそうだろう。
俺がこのままシュートを打ったところでこのバケモノに通じるはずも無い。
なので振り下ろしながら足の軌道を変えシュートではなくアウトサイドでボールを軽く蹴ると
それを待っていたとばかりに会心の笑みを浮かべながらバケモノがボールに目掛けてダイブしてくる。
…がその表情はすぐに凍りつく。何故なら掴もうとしているはずのボールが自らの手から逃げるように逆に転がっているから。
まんまとバケモノを出し抜いた俺の足元にはまるでヨーヨーのように戻ってくるボールがピタリと収まる。
カラクリを明かすとアウトサイドで蹴った時ちょいとバックスピンを掛けておいたからなんだが。
そのまま打っても良い場面ではあるが…俺の手柄にするならそうすべきだし、以前までの俺なら躊躇無くそうしただろう。
しかし“今まで”の事がふと頭によぎり、がら空きになった左にボールをはたく。一応俺の足元には190cmを超える巨体を持ちかつ
それでいて俊敏に動けるバケモノが横たわっている。念には念を入れたかった。
万が一。いや億が一の可能性すら潰したかったからだ。
そして流したボールには俊足しか取り柄が無いFWの新田が嬉しそうに走りこんできていた。
だがこの時ばかりはその俊足に心底感謝していた。この試合わざわざキャプテン権限で新田を起用するように進言したのは
まさにこの時の為と言っても過言ではない。無事新田の足元にボールが収まる。新田を邪魔するDFはすでにおらず、
その目の前にはゴールだけ。後はその足でボールをゴールへと蹴りこむだけ。
ここまでやったんだ。これ以上はない理想形でのお膳立て。その光景に自然とこみ上げてくるものがある。
万感の思いとはまさにこの事を言うのだろうか。それともやはり恐れているのだろうか。
俺は知らず知らずの内にあらんばかりの声を張り上げていた。

「新田ァッ!!決めろォォォ!!」


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0ch BBS 2007-01-24