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【激闘の】幻想のポイズン38【果てに】
[934]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To
:2010/07/18(日) 21:54:14 ID:???
かつて博麗の巫女と呼ばれた女と、今の博麗の巫女である少女。
彼女達は肉親――姉妹とは思えない程の冷たく、そして怒りと憎しみを込めた視線を向け合い。
絡ませつつ、霊夢はギリギリと歯軋りをし、靈夢はそれを見て眉を顰める。
彼女達の因縁を話すには……まず、霊夢の出生してからの来歴を話す所から始まる。
博麗霊夢――その類稀なる天性のセンスにより、将来を期待されていた少女。
しかし、彼女の不幸はその出生した時点で――彼女よりも類稀な天性のセンスを持ち。
彼女よりも何事をするにしても、抜群の能力を発揮したその当時現役の博麗の巫女。
博麗靈夢が存在をしていた、という事だろう。
幼少の頃より、霊夢は靈夢をも超える逸材かもしれないと、一部の者達にうわさこそされていた。
事実、幼少の頃の霊夢はその年ではまるで扱える筈のない結界術、陰陽術。
ありとあらゆる博麗の巫女として必要な術などを、事も無げに習得してみせたのだ。
もしも彼女が生まれるのがもっと過去――それこそ、百年二百年前ならば。
或いは彼女は稀代の天才として名を残していただろう。
だが、それはならなかった……なぜならば、現役の博麗の巫女――博麗靈夢の方が。
技術的にも精神的にも、圧倒的に霊夢よりも強大であり、強かったからである。
霊夢がやがて成長し、半人前ながらも妖怪退治の見習いをやっていた頃。
引率をしていた靈夢の方が、圧倒的な力を見せて妖怪たちを屈服させたというのも。
数少ないが、知る人ぞ知る事実であった。
両者共に、努力を知らずに育った、天才。
その天賦の才は……霊夢にとっては残念な事に。
そして、靈夢にとっては然程気にした事は無いがありがたい事に。
僅かながら、靈夢の方が大きく恵まれていたのである。
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0ch BBS 2007-01-24