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【過去の鎖と】キャプテン三杉5【未来への軌跡】


[372]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/08/21(土) 13:08:37 ID:???
>>370-371 乙感謝でーーす!



>D サッカーが好きだからサッカーをやっている…かな、今は。

完全無欠を嫌悪し、それを見せつける人間を憎悪してきたミハエル。
生まれ持った財産、生まれ持った才能に溺れ、傲慢を周囲に撒き散らしてきた人間を数多く知っていた。
それは不完全で弱い自分を超えて這い上がり、苦しみながら成長してきた人間が持つ、
高い位置へ昇華された精神への尊敬の裏返しだった。

最初から完全な物や完成してしまった物に心身の成長は無く、人として袋小路に留まる。
そのような強者はナチュラルに傲慢であり、人とは協力せず、ただ従え虐げようとするのみ。
その事を、自身の経験から堅く信じて生きてきたミハエル……。
けれども彼には見えていなかった。
いや、本当は見えていたのかも知れない。
ただ、己のコンプレックスが目の前の男に嫉妬と言う醜い感情を与え、
それを認めたくない理性が、目の前の男を完全無欠として憎もうと無意識に思わせたのかも知れない。

この試合…三杉の示してきた行動、プレイは、生まれ持った物に溺れてきた人間のそれではなかった。
チームメイトと心を通わせ、目立たない所からでも周囲を支えるプレイだった。
人が人として在る事の美しさを目の前の男は雄弁と示していたのだ。
そう、つまりは自分が想像する三杉と、目の前の男のイメージは余りに掛け離れていた。
かと言って、それを受け入れる事も無視する事も出来ないほど、三杉を意識してしまっているミハエル。

その葛藤がミハエルに三杉へ問いかけさせたのだった。
目の前の男の真実の姿を知りたい、と…。


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0ch BBS 2007-01-24