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【過去の鎖と】キャプテン三杉5【未来への軌跡】
[374]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw
:2010/08/21(土) 13:11:29 ID:???
心臓病を持ちながらサッカーを始めると言いだした我が子、当然両親は猛反対した。
けれど三杉はこればかりは決して譲らなかった。
自分の可能性を両親に見せるため、安心させるためだったからだ。
結局、医者の制限を厳守する事、管理をキッチリする事を前提にそれは許された。
ただ、三杉は漫然とサッカーをやりさえすれば良いとは思わなかった。
健全な同世代の男の子と同じ、いやそれ以上に上手くならなければいけなかった。
でなければ、両親の心の傷を癒す事など出来はしないと思っていたからだ。
そんな三杉が最初から天才と呼ばれていたわけではない。
満足に走れない三杉は、最初はチームのお荷物…と言うより練習だけは参加させて貰ってる存在だった。
周囲には心臓病の事を隠し、体力が無いと
当然、ここで彼は自分が普通よりも(運動する事に関して)劣っている事を理解した。
けれど彼には目的があった、強い意志があった。
心臓病のせいでまともにプレイ出来ないなんて結果で終われなかった。
走る事、激しいプレイに制限のあった三杉は、それを補う為に何でもやった。
足元の技術を徹底的に磨いた、どうすれば少ない距離でプレイできるかを懸命に考えた、
一日中ボールと共に過ごした日だってある。
その日々は、一人で暗闇を切り開いた日々は、決して三杉を裏切らなかった。
一日一日を過ごす中、弱い自分を超えて行ける…自分を高いステージに持っていける。
それを実感できる喜びは何物にも代え難く、そしてサッカーは日に日に楽しくなっていった。
余談だが、彼がヨハン・クライフを知ったのはこの時期である。
「ボールを動かせ!ボールは疲れない!」
「サッカーでは100mより30mから40mを速く走ることが重要。だがもっと重要なのは”いつ”走るかだ」
クライフのこのような言葉が少年時代の彼をどれだけ勇気付けたかは想像に難くない。
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0ch BBS 2007-01-24