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【過去の鎖と】キャプテン三杉5【未来への軌跡】
[375]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw
:2010/08/21(土) 13:12:58 ID:???
幸運な事に彼の体の成長は早く、6年生になった頃には身長はチームで1、2を争うくらいであった。
その頃には、三杉のプレイについていける者はチームに誰も居なくなっていた。
それだけではない、「東京に天才三杉あり」という話も既に都内を駆け巡るようになっていたのだ。
一つ一つ、誰よりも地道に階段を上がっていった三杉は、いつの間にか誰も届かない所にいたのだ。
そのテクニックは既に完成されており、それ以上の成長はもはや身体が追いつかなかった。
小学生の時点でそこまで登りつめた三杉、だがそれは悲しい事だった。
彼は遂に自分の限界をその身で実感してしまったのだ。
三杉の心に空虚な風が吹いていた。
しかし、満足な気持ちもあった。
自分が普通の子供と同じ、いやそれ以上の可能性を持っている事、
心臓病なんかに負けない事は、立派に両親へ伝えられたのだから。
目的を果たした事を理由に、三杉はサッカーを辞める事を決意した。
本当は周りの人間に追い越されていくのを見たくなかったのかも知れない。
ともかく三杉は最後に自分の全てをぶつけられる敵を求めた。
今の自分の限界をぶつけて、それを皆に見せて、そうして終わりたいと思ったのだ。
そうして三杉が最後の敵に選んだのは…大空翼、そして南葛。
マネージャーの青葉弥生が教えてくれた根っからのサッカー小僧。
この少年ならば、自分の全てぶつけても応えてくれると信じて。
そして臨んだ全日本少年サッカー大会・準決勝。
思わぬトラブルはあった物の、彼は初めてサッカーの試合にフルタイム出場を果たした。
大空翼だけでなく、森崎、中山といった素晴らしい選手達と出会う事が出来た。
自分の未熟さを知り、まだまだ超えられる限界がある事も知った。
そして…何よりサッカーの楽しさを改めて知ってしまったのである。
サッカーの楽しさは一人じゃ分からない。
仲間と、そしてライバルがいるこそ本当に楽しいのだと、三杉は南葛戦で教わったのである。
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0ch BBS 2007-01-24