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【そして猫は】キャプテン松山25【途方にくれる】


[809]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/12/24(金) 09:24:09 ID:???

地霊殿チームと試合中の松山光―――ここから先は、彼の、とある未来図の一つ。
いきなり幻想郷に連れてこられて、そこで暮らすことを余儀なくされた北海の荒鷲……松山光。
奇妙な縁に振り回されたり、不当な扱いに苦しまされたり、サッカーの試合で大きく活躍して評価を得たりもして
山の上の神社から引っ越したり、食通の老亀の起こす事件解決に奔走して傷を負ったり、地底まで赴いたりもした。
太く短い〜と思われた新天地の生活は今なお続き―――時の流れは速く、年の終わりを迎えようとしていた。

??「今年の〜冬は、寒そうです〜♪」

これまでになかった環境で、季節の移り変わりを感じながら松山は、地元北海道ではなく幻想郷で冬を過ごしていた。
生活自体はそれなりに安定し、(良かれ悪かれ一部を除き)周囲ともやや良好な関係を築きつつある。
しかしながら……松山光の宿命であるトラブルの発生頻度は改善されていなかった。

??「逢いたい〜♪ もうい〜ちど〜だけ〜」
??「……」

夜の山道にそぐわぬ優雅なイブニングドレスに身を包む少女の歌声を、後ろの少年は暗澹とした心地で聴き拾う。
透き通る美声で、しかもやたら上手にクリスマスソングを唄うのは……。
可憐な少女の姿ながら……胡散臭くも成熟した女性の風格と、色香をも漂わせるスキマ妖怪の八雲紫。
その後ろで……冬の訪れで葉っぱが散った樹木のような寂れた顔で歩いてるのは、ご存知松山光だった。
月日が経ち、幻想郷での生活にも慣れてある種の余裕が窺える―――反面、ものっそい老成しつつあった。

松山「(この選曲は、俺を慰めようとしているのか……沈ませようとしてるのか……?)」

雪の白さで染まる、鬱蒼とした山林の道とはいえ、類稀な美貌の少女と連れ添い歩く幻想的なシチュエーション。
しかし、彼女の正体と、迷惑な性質を骨身に沁みて解っている松山の心が躍ることはなかった。
心を冷え込ませてると、丁度、雪混じりの一際寒い風が吹きつけ、松山は寒さに身を震わせる。
寒がる少年の様子に気付いた紫が、歌を止めて半ば冷めた眼で言ってくる。



0ch BBS 2007-01-24