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【宿命ありき】ファイアーモリブレム20【森崎VS日向】


[378]モリブレム ◆lT1/XKcIlo :2010/09/19(日) 22:40:49 ID:???
森崎「それは…俺たちが世界一強いチームだったからだろう?」

日向「ああ、その通りだ。そしてその世界一強いチームを作る要因となったのはなんだと思う?」

森崎「……どういうことだ?」

日向「お前や俺がチーム内で権力を求め奪い合う。その結果、全日本Jrユースには競争心が生まれ、育まれた。
   世界レベルのサッカーには程遠かった俺たちがあの短期間でアレだけ強くなったのは…俺たちが決して馴れ合うことが無かったからだ」

森崎「(…そういうことか。日向、お前は……)」

ここではじめて森崎は気がついた。日向がどうして馴れ合いやチームワークを嫌っているのかを。
彼は自分が所属するチーム、全日本というチームをより強いチームにしたかったのだ。
全日本を強くする要員はチーム内の激しい競争によるもの。そして仲間を思いやったりチームワークに徹することは
成長の妨げにしかならない。世界のサッカーについていくには甘さや優しさを捨てるしかないと。日向はそう言っているのだ。

日向「テメェの腑抜けた根性には心底幻滅したぜ。もしテメェに少しでも
   俺に反発する気骨が残っているなら、俺の舎弟として徹底的に鍛えなおしてやるつもりだったが…
   もう終わりだ、森崎有三。テメェはもう全日本には必要がない存在だ。ここで俺が引導を渡してやるよ」

そう言うと日向は森崎から手を離し背を向けた。森崎はその背中がどこか寂しそうに思えた。

森崎「(日向。お目の考えはわかる。お前の言っていることはある意味では正しいのかもしれない。
   でも、お前は知らないんだ。馴れ合うことと、チームワークを尊重することは別の事だって。
   この試合でアイツに分からせてやらないといけない。俺がこの手で選んだ仲間を信じるサッカーで勝つことで。
   全日本を強くさせたいという気持ちは同じだ。ならば、尚更俺はここで倒れるわけには…負けるわけにはいかない!)」

決して相容れることのない思想の違い。どちらが正しいのかを証明するには、勝利を収めるしかない。
森崎は、一層勝利への決意を固めると、コイントスを迎えるのだった。


0ch BBS 2007-01-24