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【井の中の虎】幻想のポイズン41【幻想を知らず】


[963]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/04(月) 00:29:00 ID:???
魅魔「なら、私はお前はMFにコンバートするのがベストだと考える。
   幸いと言っていいのかはわからないが、この魔界Jrユースにはドリブルに秀でた選手はそう多くは無い。
   特にお前のように小回りが効くタイプの選手はいないんだ」
佐野「…………」
魅魔「お前はパスも鍛えた。 得点力は無いが、MFとしては十分過ぎる能力だ。
   その二つを重点的に鍛えていけば、大会まではMFとして開花出来るだろう」
佐野「けど……MFだって、激戦区だ! それに……靈夢さんは、トップ下を絶対に譲らないだろ?」
魅魔「……そうだね。 魔界Jrのトップ下は、靈夢だ。 それはまず、間違いない。
   お前がなれるとすれば……サイドハーフだろうね」

魅魔は佐野にMFへとコンバートする事を薦め……。
しかし、それを聞いて佐野は俯きながら、表情を見せず考え込み始める。
魅魔の言う言葉には、当然ながら説得力はある。
確かに、現状の佐野の力――力量を考えれば、魅魔を相手にレギュラー争いをするというのは不可能に近い。
そして、その魅魔の相棒であるという選手とレギュラー争いをするというのも、難しいだろう。

佐野「(でも、MFにコンバートして……それで本当にいいのか?)」

小回りの効いたドリブルに、精度の高いパス。
確かにその能力を見れば、佐野はFWよりはMFの方が向いているのかもしれない。
だが……MFの主役は、この魔界Jrユースでは靈夢なのだ。
自分がどれだけ頑張っても、どれだけ活躍をしても……最後には靈夢が持っていってしまう。
MFへコンバートしてしまえば、必ずそうなってしまう――運命のようなものを、佐野は直感的に感じ取る。

佐野「このままFWとして鍛えて……師匠たちとレギュラー争いをするか。
   それとも、MFにコンバートして……靈夢さんのおまけ的な扱いに甘んじるか……その二択、って訳かよ?」
魅魔「……サッカーは実力勝負だ。 実力が足らなければ、おまけになっても仕方ない。 違うかい?
   それで……どうするつもりだい、佐野? 答えは出たかい?」
佐野「………………俺は」


0ch BBS 2007-01-24