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【天高く】キャプテン霧雨61【乙女燃ゆる秋】


[153]キャプテン霧雨 ◆2pV1gRdG.o :2010/10/29(金) 22:42:12 ID:???
とある部屋の前で足を止める。
そこは、全日本正GKであり、現キャプテンである選手の部屋。
三杉はかつての味方たちではなく、彼の力を借りようとしていた。

三杉「(……頼むぞ。僕は冷静に、彼の協力を取り付ける。
    弱みを、弱気を見せるな。そんな弱者を対等に相手にするような男じゃない)」

コン…コン……

心を落ち着かせながら、それでも表情だけは冷静を繕ってドアを叩く。
しばらくして、誰何する返答と共に、部屋の主が小さくドアを開けた。

三杉「三杉だ。今、時間はあるかい?森崎」

森崎「………ああ。今日は自主練ぐらいの予定だったからな、構わんぜ」

その選手の名は森崎。日本が誇るGK。
彼はハンブルグとの試合においてシュナイダーを相手に無失点を達成し、今もまた全試合無失点を通していた。
その彼にとって三杉の訪問は意外なものらしく、年相応の表情が一瞬顔を出した。
しかしそれはすぐに消え、強気で傲岸な表情を見せる。

三杉「さて…森崎。君は自分のフィールダーの能力に満足しているかい?」

部屋に入るなり、三杉はそう切り出した。
森崎はその言葉に何も答えない。それが既に彼の答えだった。
セービングの進化に関しては彼はどうしようもない。ギブ&テイクを持ちかけるならここしかなかった。


0ch BBS 2007-01-24