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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[204]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:32:52 ID:h6UlLDdF
片桐「だからその特殊な家庭環境をお前にざっと説明しておく。
お前とあいつが浅からぬ関係となりつつあるのなら、絶対に知っておいて貰わねばならん」
森崎「特殊な家庭環境…って言われても。一体何ですか?」
片桐「…片桐総合グループ。または片桐コンツェルン。名前位は知っているか?」
森崎「へ?ええまあ、時々新聞とかで名前を見る財閥ですけ…ど…へ?ま、まさか?」
省14
[205]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:33:02 ID:h6UlLDdF
森崎「な、なんでそんな人達が日本サッカー協会に…」
片桐「一言で言えば、私も陽子も家出中なんだよ」
森崎「い、家出、ですか」
片桐「そうだ。私は若い頃からサッカーに魅せられ、家を飛び出す様な形で日本代表になった。
そして負傷で引退した後も諦め切れず、選手ではなくスタッフとして日本サッカーを発展させようと
ここまで我武者羅にやってきた。言い換えれば、家の事を顧みずに自分勝手にやってきたのだ」
森崎「はあ…」
省12
[206]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:33:12 ID:h6UlLDdF
森崎「…何て言うか、今までテレビドラマでしか見た事が無い様な世界の話で実感が湧かないです」
片桐「いきなり聞かされればそういう感想を抱くだろうな。だがこれは現実だ。
ハッピーエンド等保障されていないし、何時終わるかも分からない現実だ」
森崎「ええと…じゃあ、陽子さんには既に許婚が居たりするんですか?」
片桐「私の知る限りでは今の所そうではない。しかしあくまでも今の所、だ。
省17
[207]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:33:22 ID:h6UlLDdF
圧倒される森崎に意図的に構わずか、もしくは構う余裕も無いのか、片桐は次々と衝撃的な内容を口にしていった。
彼の顔にはサングラスでも隠しきれない苦悩とやり切れなさが溢れていた。
片桐「片桐総合グループの力を持ってすればそれ位の事は簡単だ。
実際にやらなくてもいい、それを匂わすだけで私か陽子は家を継ぎに戻らねばなるまい」
森崎「…なるほど。確かに」
片桐「…しかも、その場合連れ戻されるのは恐らく私ではなく陽子だ」
省23
[208]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:33:42 ID:h6UlLDdF
辛さを隠す様に淡々と語る片桐の様に森崎は怒れば良いのか哀れめば良いのか分からなくなり、
口をへの字に結ぶだけにした。それを見た片桐は森崎に背を向け、タバコを胸ポケットから取り出した。
片桐「もしかしたら父は我々をずっと放っておいてくれるかも知れん。母はどちらかと言えば
私と陽子の味方だったしな。だが…この先どうなるか、全く分からん。だから陽子は逃げ出したのだろうな」
森崎「…分かりました」
省21
[209]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:36:02 ID:h6UlLDdF
数分後、森崎は陽子の部屋の前に立っていた。「私は朴念仁だからこういう時女はどうされたら嬉しいのか分からん。
入るのも入らないのも自分で決めろ」と言う片桐のぶっきらぼうな言葉を思い出しながら。
森崎「全く、厄介な選択を押し付けやがって…どうしたらいいんだよ…」
彼の心底まいった呟きに答える者は居ない。廊下には彼以外誰も居ないのだから当然である。
省29
[210]創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 20:55:50 ID:eKC1D5oX
またまた、
陽子絡みのゲームオーバー分岐に
突入か…?
森崎、謎のスナイパーに気をつけろ。
[211]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 23:28:29 ID:h6UlLDdF
>A 今は踏み込むのが正解だ。
森崎「行かない訳ないだろ、常識で考えて」
森崎は自分に言い聞かせる様に呟いてから鍵を差し込もうとし…考え直してドアをノックした。
陽子「…え?誰?」
森崎「森崎だけど…」
陽子「えっ…あ、あの…」
当然と言うべきか、陽子は慌てふためいてロクな受け答えが出来なかった。
森崎自身精神的な余裕は無かったので、問答無用で話を進めたくなってしまう。
省6
[212]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 23:29:25 ID:h6UlLDdF
森崎「…後、家の事情も聞かされた」
陽子「………そう」
森崎「入っていいよな?」
陽子「……………」
森崎「入るぞー」
ガチャ。
バタン。
森崎「おわ…」
[213]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 23:29:39 ID:h6UlLDdF
中に居たのはビール瓶を蓋を開けるまでもなく手で弄ぶ陽子の姿だった。別に泣いていた訳でなく、
弱弱しく微笑む程度の気力は残っていたが普段とのギャップのせいで逆に痛々しく見えた。
森崎「(こんなにか弱く見える陽子さんは初めてだな…なんか、色っぺえ)」
陽子「ね、森崎くん」
森崎「ん?」
陽子「さっきの…冗談よね?」
A 「ああ、ついその場のノリで言っちゃったんだ。ごめん…」
B 「…う〜ん、半々って所かなあ…」
省27
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0ch BBS 2007-01-24