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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[208]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:33:42 ID:h6UlLDdF
辛さを隠す様に淡々と語る片桐の様に森崎は怒れば良いのか哀れめば良いのか分からなくなり、
口をへの字に結ぶだけにした。それを見た片桐は森崎に背を向け、タバコを胸ポケットから取り出した。
片桐「もしかしたら父は我々をずっと放っておいてくれるかも知れん。母はどちらかと言えば
私と陽子の味方だったしな。だが…この先どうなるか、全く分からん。だから陽子は逃げ出したのだろうな」
森崎「…分かりました」
省21
[209]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 19:36:02 ID:h6UlLDdF
数分後、森崎は陽子の部屋の前に立っていた。「私は朴念仁だからこういう時女はどうされたら嬉しいのか分からん。
入るのも入らないのも自分で決めろ」と言う片桐のぶっきらぼうな言葉を思い出しながら。
森崎「全く、厄介な選択を押し付けやがって…どうしたらいいんだよ…」
彼の心底まいった呟きに答える者は居ない。廊下には彼以外誰も居ないのだから当然である。
省29
[210]創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 20:55:50 ID:eKC1D5oX
またまた、
陽子絡みのゲームオーバー分岐に
突入か…?
森崎、謎のスナイパーに気をつけろ。
[211]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 23:28:29 ID:h6UlLDdF
>A 今は踏み込むのが正解だ。
森崎「行かない訳ないだろ、常識で考えて」
森崎は自分に言い聞かせる様に呟いてから鍵を差し込もうとし…考え直してドアをノックした。
陽子「…え?誰?」
森崎「森崎だけど…」
陽子「えっ…あ、あの…」
当然と言うべきか、陽子は慌てふためいてロクな受け答えが出来なかった。
森崎自身精神的な余裕は無かったので、問答無用で話を進めたくなってしまう。
省6
[212]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 23:29:25 ID:h6UlLDdF
森崎「…後、家の事情も聞かされた」
陽子「………そう」
森崎「入っていいよな?」
陽子「……………」
森崎「入るぞー」
ガチャ。
バタン。
森崎「おわ…」
[213]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/08(月) 23:29:39 ID:h6UlLDdF
中に居たのはビール瓶を蓋を開けるまでもなく手で弄ぶ陽子の姿だった。別に泣いていた訳でなく、
弱弱しく微笑む程度の気力は残っていたが普段とのギャップのせいで逆に痛々しく見えた。
森崎「(こんなにか弱く見える陽子さんは初めてだな…なんか、色っぺえ)」
陽子「ね、森崎くん」
森崎「ん?」
陽子「さっきの…冗談よね?」
A 「ああ、ついその場のノリで言っちゃったんだ。ごめん…」
B 「…う〜ん、半々って所かなあ…」
省27
[214]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/09(火) 11:22:47 ID:jYJxC5GB
>D 「あんなタイミングで言うつもりはなかったけど、冗談じゃないぜ?」
陽子「本気…?」
森崎「ああ。なんて言うか、今更ながらいきなり過ぎたとは思うし、かなり階段飛ばしかも知れないが…嘘じゃないぜ」
多分に受け狙いの気持ちがあったのは拒めない。陽子さんなら冗談として受け流してくれると言う期待もあった。
だが今こうして二人きりで真剣に向かい合っていると、最早冗談にしてしまいたいと言う気持ちは無くなっていた。
省12
[215]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/09(火) 11:23:14 ID:jYJxC5GB
森崎「(いかん、なんちゅう重い沈黙だ…陽子さんの気持ちも確かめた方が良いか?)」
A 「でも陽子さんは、俺の事をそういう対象として見ていなかったのか?」
B 「陽子さんはどうなんだ?まんざらでもないんなら嬉しいんだが」
C 「陽子さんも、ある程度そういう気持ちだと思っていたんだが…」
D 「俺の事、もっと好きになって欲しいよ。俺ももっと陽子さんを好きになりたい」
E 「俺の女になってくれ!こんな気持ちになったのは初めてなんだ!」
省23
[216]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/09(火) 23:12:27 ID:jYJxC5GB
>G 「それだけ伝えたかったんだ。俺、もう行くよ」
陽子「………?」
森崎「(ダメだ、このままここに居るととんでもない事口走りそうだ。
それに陽子さんに考える時間も必要だろうし…ここは一旦時間を置こう。うんそうしよう)」
それは陽子を配慮した結果だったのか、それとも自分の気力が尽きた為か。
森崎は足早に立ち去っていき、後に残された陽子はぽつんとベッドに座っている事しか出来なかった。
省18
[217]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/09(火) 23:12:38 ID:jYJxC5GB
片桐に鍵を返した後パーティ会場に戻った森崎を迎えた者達の態度は予想を裏切らぬ物だった。
早田「おお、我が兄弟。生還出来たか」
次藤「で、で、どがんしたとね?」
中里「具合は如何でござったか?」
中山「…上手く行ったのか?」
松山「お、お前、ちゃんと話しておかないと後悔するぞ…」
ある者は好奇心露に、ある者は善意から心配して森崎に詰め寄る。しかし片桐家の事情は勿論、
陽子の部屋に行った事も話す訳にはいかない森崎は肩を竦めるしかなかった。
省20
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0ch BBS 2007-01-24