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1- レス

【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】


[271]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:31:07 ID:hVGvVKus
沢山更新したので今日はここまで。
やっとブラジルユースを再登場させられた…

[272]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:23:58 ID:mpF7cUoO
〜ブラジルサンパウロ州、サンパウロ市〜

そしてもう一つのドラマの主役は翼だった。

今日彼は数日前出会った日本人学校の少年チームの下を再び訪れていた。
大喜びの子供たちは彼を質問責めにしたり指導を求めたり技の披露をせがんだりと大忙しである。

子供達「ねえねえ、好きな食べ物とかある?」

翼「う〜ん、これと言った好き嫌いは無いな。体に良い物なら何でも食べる様にしていたよ。 省22

[273]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:09 ID:mpF7cUoO
子供達「翼さん、サイクロンやってみて!」「あ、見たい見たい!」

翼「へ…?サイクロン?」

子供達「知らないのー?ジャイロの必殺技だよ!」

翼「いや、ジャイロもサイクロンも知っているけど、俺は一度もそんな技使った事はないよ?」

ジャイロ。ペレより前の世代のサッカー選手であり、未公認記録も含めると20年近い
キャリアの中で1000近いゴールを入れたと言われる伝説のプレイヤーである。 省27

[274]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:22 ID:mpF7cUoO
サイクロンを取れるキーパーは誰も居なかったとすら言われる。
しかし今では誰も撃てない幻のシュートと言われ、何時しか知られざる伝説となった。
翼もロベルトから”ブラジルでは半ばお伽噺さ”と雑談として聞いた事しかない。

子供達「う〜ん、サイクロン…どんなシュートなんだろう」「そもそもサイクロンってどんな意味?」

翼「暴風…つまり、嵐の事だね。ひょっとしたら竜巻みたいにグルグル回りながら落ちるドライブシュートなのかもね」
省16

[275]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:33 ID:mpF7cUoO
先生「ちょ、ちょっと!無茶な事を言って翼さんを困らせるんじゃないの!」

翼の動揺を無理難題を押し付けられたせいだと思った先生が慌ててやってくる。だが今の翼には彼女の言葉は届かなかった。

スクッ…

翼「横回転をかけた浮き球で、ドライブシュートを撃つ…」

先生「え?つ、翼さん?」

子供達「おおー、やる気だー!」「頑張ってー!」

この時翼を動かしていたのは彼が忘れて久しかった感情だった。 省12

[276]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:43 ID:mpF7cUoO
                               バシュン!!
                               ヒュルルルル!

                強烈な横回転をかけられたボールが翼の上空に上がり、勢い良く落ちてくる。
                  翼はそれを迷いなく渾身の力を込めたドライブシュートで撃ちぬいた!
省39

[277]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:57 ID:mpF7cUoO
子供達「あー!凄ーーーい!!」「飛んでった!竜巻みたいに飛んでった!」
「でもあれじゃゴールに入らないじゃん」「コントロールがしっかりしてればちゃんとゴールに行くって」

好き勝手に騒ぐ子供達の声が何処か遠くから聞こえてくる様だった。

先生「あ…ああ〜、ボール、飛んで行っちゃいましたね…」

呆気に取られた様な先生の呟きもロクに耳に入らなかった。

翼「…すいません、ボールを回収しないといけないので今日はこれで失礼します!」
省10

[278]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:26:53 ID:mpF7cUoO
いったんここまで。

[279]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 19:35:28 ID:2FPDbd4K
元祖サッカー小僧を救ったのはまたサッカー大好きな子供たち。
胸熱ストーリーですな

[280]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:33 ID:mpF7cUoO
翼は走っていた。ボールを回収する為ではなく、チームの練習用グラウンドに向かって。
あのボールは彼のサイン入りだったので、痩せても枯れても名門サンパウロFCのプロ選手である
彼のボールはそれなりの値段で売れてしまう。故に翼は最初からボール探しは諦めていた。

それよりも早く、一秒でも早く、もう一度あのシュートを撃ちたかった。
息を切らせても、脚が震えても、翼は走り続けた。ただただサッカーを求めて。

翼「ハアッ、ハアッ…」
省11


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