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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[278]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 19:26:53 ID:mpF7cUoO
いったんここまで。
[279]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 19:35:28 ID:2FPDbd4K
元祖サッカー小僧を救ったのはまたサッカー大好きな子供たち。
胸熱ストーリーですな
[280]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:47:33 ID:mpF7cUoO
翼は走っていた。ボールを回収する為ではなく、チームの練習用グラウンドに向かって。
あのボールは彼のサイン入りだったので、痩せても枯れても名門サンパウロFCのプロ選手である
彼のボールはそれなりの値段で売れてしまう。故に翼は最初からボール探しは諦めていた。
それよりも早く、一秒でも早く、もう一度あのシュートを撃ちたかった。
息を切らせても、脚が震えても、翼は走り続けた。ただただサッカーを求めて。
翼「ハアッ、ハアッ…」
省11
[281]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:47:46 ID:mpF7cUoO
挨拶もそこそこにさっさとボールを用意する翼の姿にネルソンは目を丸くするしかなかった。
これがあの日夜悲壮感と無気力に苦しむ若者と同一人物なのか、真剣に疑いたくなる程だった。
だが次に彼の目の前で行われた風景は更に信じがたい物だった。
翼「(ボールにスピンをかけて自分の真上に蹴り上げる!)」
バシュン!!
ヒュルルル!
翼「(そして落下するボールにドライブシュートをかける!!)」
省16
[282]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:48:02 ID:mpF7cUoO
ネルソン「なにィ!!」
ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
ズギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!
ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
ヒュー…
ポトッ…
コロコロコロ…
翼「くっそ〜…ポストか…」
ドライブシュートの様に上空から急降下しながら、横倒しの竜巻の様に螺旋状に回転する。
省4
[283]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:48:13 ID:mpF7cUoO
翼「もう一度…あれ?」
グラ、グラ…
ヨロッ…
バタン。
ネルソン「…当たり前だよ。高速で回転する物体はエネルギーが増す。あんな超高速回転をかけた
ボールを蹴ったらインパクトの瞬間に足首に伝わる衝撃は普通のシュートの比ではないだろう。
ましてや何があったか知らないが、長距離を全力疾走したらしい後で体力が尽きない訳が無い」
翼「ハ、ハハ…言われてみたら当たり前ですね…俺ってバカだなあ…」
省5
[284]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:48:27 ID:mpF7cUoO
数分後、翼はネルソンにほんの少し前の経緯を話していた。
ネルソン「君がオフの度に何処に行っているのかと思ったら、そんな事があったのか」
翼「はい…あの」
ネルソン「何だね?」
翼「サイクロンって…あれで良いんでしょうか?」
ネルソン「…知らんよ。もし原理を知っていたら私だって挑戦していただろう」
翼「そうですか…ネルソンさんならひょっとしたら、と思ったんですが」
省10
[285]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:48:51 ID:mpF7cUoO
翼「………」
ネルソン「ただ、私は今君が撃った物は本当のサイクロンにかなり近いと思う」
翼「えっ?」
ネルソン「ドライブシュートの様な落ち方と言う条件を果たしているし、サイクロンと言う単語から
イメージされる螺旋状の回転もある。なにより、足に尋常ではない負担がかかる事だ」
翼「足への負担が?何故ですか?」
ネルソン「ストライカーは誰しも必殺シュートによる体へのダメージに悩まされる。
省13
[286]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:49:07 ID:mpF7cUoO
翼「そういえば…さっきからずっと冷やしっぱなしなのに、まだ足が痛いままです」
ネルソン「やはりな。そこで一つの疑惑が生まれてくる。サイクロンの撃ち方は誰も知らないのではなく、
知る者は皆口を閉ざしたのではないか?いくら数十年昔の話とは言えど、
不自然な位情報が残っていないのはそんな事情があるのでは…まあ、検証のしようもない話だ」
翼「……………」
ネルソン「いや、むしろ…本当のサイクロンは誰も撃てないのかも知れない。
省29
[287]2 ◆vD5srW.8hU
:2010/11/12(金) 20:49:49 ID:mpF7cUoO
長々と熱弁をふるったネルソンはここで息をつき、じっと翼を見つめた。
彼と出会って以来まるで見せなかった炎を瞳に灯している翼を。
翼「…ネルソンさん。俺、やります。俺の新しいサイクロンで新しい伝説を作ってみせます。
今までサンパウロにかけた迷惑の分も…俺はやってみせます」
ネルソン「その言葉を聞ければ、喉が渇くまで長話をした甲斐があったと言う物だ」
翼「有難う御座います…色々と」
省31
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