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【戦わなければ】幻想のポイズン43【生き残れない】


[947]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:03:42 ID:???
振り向いた若林の前に立っていたのは、若林より一回りも二周りも小さい少女。
髪は彼にとって忌々しいオータムスカイズの連中を思い出させるような、現実には絶対いないような紫色。
園児を思い出させるような、幼い衣服に胸元には奇妙な目の形をしたアクセサリー。
一体何者なのかと、思わず若林がいぶかしむ中、その少女はしばし若林を見つめ……。

さとり「あなたも……なのですね……」
若林「何? って、おい!? ちょ、ちょっと待て!!」

不意に何事かを呟くと、その両の瞳から大粒の涙を流しながらその場に蹲る。
基本的に傲慢が服を着ているような性格の若林とて、一介の中学生。
目の前で突如女性が泣き出して放っておける程の人非人でもなければ、上手くフォロー出来る程の世渡りの上手さは持っていない。
大慌てで若林は周囲の目を気にしながら少女を宥めようと近寄り、肩を抱きながら起こそうとし……。

若林「(!? キーパーグローブ……?)」

そんな時、少女が手に嵌めていた手袋――キーパーグローブを見て目を見張る。
明らかに力がなさそうであり、そして、俊敏な動きが出来そうにない少女。
しかし、そんな少女がやたらと強烈なシュートを打ってきたりするのを一度だけ見た事がある若林は。
少女の正体についてもしやと感づき……。

さとり「そうです……私もあなたと同じ……」
若林「!?」
さとり「たった一度の過ちと、慢心故に……理不尽過ぎる暴力で叩きのめされ。
    地に落ちた、キーパーです……」

少女は自身の正体を、涙声交じりに語る。
古明地さとりと、若林源三。
かつては名声を浴び、才能に溢れていたが――たった1人の選手の前に、そのプライドをズタズタに引き裂かれ。
地位も名誉も栄光も、全てを失くしてしまったキーパーの、出会いであった。


0ch BBS 2007-01-24