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【ストライカーの】幻想のポイズン45【条件】


[717]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:17:46 ID:???
俯きながら言葉を吐くさとりに、感情を押し殺したかのような声で告げる若林。
瞬間、さとりはハッと顔を上げて若林を見上げれば……。
若林はさとりに対して軽蔑するかのような……まるで汚物を見るかのような表情を浮かべているのだった。

若林「俺はお前とは違う……俺は、お前のような軟弱者じゃない」
さとり「そんな……事実、あなたは今さっきまでここで頭を垂れ、うじうじしていたじゃないですか……。
    私に隠し事は無駄ですよ……どんな嘘だって……」
若林「ああ、確かにさっきまで俺はお前のように暗い顔して俯いていた。
   ……お前を見て、どんだけさっきの俺が醜く、浅ましく、情けなく、だらしないかわかった。
   だからこそ……俺は、お前のような軟弱者じゃない……いや、軟弱者にはなりたくない!」

古明地さとりもプライドが高ければ、若林源三もプライドの高い選手であった。
そんな彼は最初さとりの話を、同情半分聞いていたのだが……。
しかし、その話も半ばに差し掛かると……さとりの言葉と先ほどまでの自分の姿を重ね……。
そして、そんなさとりの姿に――自身の分身の姿に、大きな憤りを感じた。

プライドが高いからこそさとりはこれ以上その誇りを傷つけられる事を拒んだ。
だが、逆に若林はプライドが高いからこそここで終わってはいられないと前を向いたのである。
そもそもの問題として、さとりはサッカーを本業とする者ではなく。
若林はサッカーをするしかこの先生きる道が無く、かなり切羽詰っているものがあったという面も多分にあったろうが……。
とにもかくにも、先ほどまでどんよりと曇っていた若林の表情は、いつの間にか不適な笑みへと変わっていた。

SGGKとしての誇りを取り戻し、正ゴールキーパーの座に返り咲かなければと気づいた若林源三。
その道のりが果てしなく困難であり、また、周囲から笑われるだろうという事は判別がついていた。
だが、それでも若林はさとりのようにはなりたくないと思った。
精神的に脆くもあるが、しかし、強気でもある若林源三は、この時、ようやく立ち直ったのである。


0ch BBS 2007-01-24