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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】


[713]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/18(月) 01:44:35 ID:???
帽子を目深に被り、心底楽しくなさそうにそう呟きながら……魔理沙は小さく嗚咽した。
それと同時、地面のアスファルトに、2、3滴の水滴が落ちた。
それから、魔理沙はしばらくそこで……声が枯れるまで、空笑いを続けた。
そして、段々アスファルトに落ちる水滴の量が増え……やがてそれも止まると……。
ゆっくりと、のろのろと、その場を立ち去り始めた。

反町やリグルにも敵わず、このままレギュラーを落ちるという危機感。
落ちた後、間違いなく自身に刺さるであろう周囲の嘲笑に対する恐怖心。
魅魔に突き放され、見捨てられたという絶望感。
そして、靈夢に綺麗なまでに完璧に自身の技を模倣されたのを見て沸いた……喪失感。

強く張っていた糸ほど、切れた時の反動は大きい。
危機感と恐怖心を精一杯の虚勢で今まで隠し通していた魔理沙は、絶望感と喪失感を同時に覚えた事で。
今まで自身がやってきた事も、これからの自分の行く末も……全てがただただ崩壊していくのを感じていた。
瞳から光が消え、目を真っ赤にし、魔理沙は歩く……宿舎が無い方角へ。
涙もとっくに枯れ果てた魔法使いが……果たしてどこへ向かっているのか。
それは、本人にもわからない事だった。


0ch BBS 2007-01-24