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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】
[748]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To
:2011/04/20(水) 23:59:35 ID:???
魔理沙「私だけが違う……」
博麗霊夢にも、十六夜咲夜にも、魂魄妖夢にも、東風谷早苗にも。
才能があり、特別なものがあり――しかし、霧雨魔理沙にだけはなかった。
その事実が、魔理沙に対して大きな疎外感と、喪失感を与えていた。
自分だけが霊夢たちとは違うという事実を、"凡人"霧雨魔理沙は改めて悟り。
やがて涙を流しながら、小さな嗚咽を繰り返しつつもう一度口を開いた。
魔理沙「私だけが……違うんだ……!」
悔しさと、それ以上の悲しさを含んだその言葉を吐いた後。
魔理沙はじっと見つめていた水面へと吸い込まれていった。
今まで自分がやってきた事が全て無駄なのだと悟り、そして、霊夢達に置いていかれる事を悟った今。
彼女の絶望は計り知れず――だからこそ、このような愚行に走ってしまったのだろう。
バシャアアアアアアアアアアアアアアッ!! ドボォッ!!
黒と白の衣服を着込んだ1人の少女が水面に叩きつけられ、派手に水の柱が立ち上る。
やがて、音を聞きつけた現地の人間が辺りを取り囲み、救急車などがやってきて、その少女は救出された。
彼女にとって幸か不幸かは定かではないが、とにもかくにも、彼女は救出された。
しかし、肉体はともかく、精神はまるで救われていない状況で――。
明くる日の午後、この事件の一報が幻想郷Jrユースの宿舎に届けられてからも。
魔理沙の意識は戻らず、ただうめき声を出しながら苦しげに眠り続けるのだった。
暗く淀んだ川の底に、意識も心も置いてきてしまったように。
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0ch BBS 2007-01-24