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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】
[919]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To
:2011/04/25(月) 00:30:45 ID:???
額に流した汗をタオルで拭いつつ、今日の練習を切り上げようとするさとり。
それに対して、若林は若干不満そうな表情をしながらも頷き……。
2人は軽口を叩きあいながら、じっと互いを見やる。
巨漢の男に、見るからに華奢な女。
このフランスでの合宿の間、ほぼ毎日をともに過ごした地の底に落ちたキーパー。
この秘密の特訓も、大会前日のこの日が――とうとう最終日。
即ち、2人の別れの時という事となる。
自然、2人は軽口を叩きあいながらも……どこか不自然な沈黙に包まれる。
さとり「……源三君には、本当に感謝をしています。 貴方がいなければ、私はいつまでも立ち上がれなかった。
ここまで私がやってこれたのも……源三君のお陰です」
若林「……何を今更言ってやがる。 お互いが得をする為だけの、共同練習だった筈だろう。
感謝なんてするんじゃねぇよ」
不意にこの沈黙を破ったのは、さとりの方だった。
彼女はその顔に、僅かな笑みを浮かべながら若林への感謝を告げ……。
それを受けた若林は戸惑うようにうろたえながら、ぶっきらぼうに返答しそっぽを向く。
しかし、そんな若林の心情は……覚妖怪であるさとりにはよく聞こえていた。
さとり「……『俺の方こそ感謝している』ですか。 ふふ……」
若林「!! か、勝手に人の心を読むなと言ってるだろうが!」
さとり「そうは言われましても、私にとっては呼吸をするようなものですから……。
ふふ……源三君は、もう少し素直になってもいいと思いますよ?」
若林「く、くそっ……これ以上からかうだけならもう帰るぞ!
元々、俺とお前は敵同士なんだ! 大会が始まれば、そんな事も言えないくらいにボコボコにしてやるぜ!」
さとり「……そうですね。 お互いが優勝を目指す以上、私達は敵同士ですものね」
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0ch BBS 2007-01-24