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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】


[920]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/25(月) 00:31:45 ID:???
若林の心を読み、それをさらりと喋るさとりに……。
当の若林は顔を真っ赤にしながら怒りを露にし。
自身が持ってきていたスポーツバッグを引っつかみ、帰路につこうとする。
そんな若林の様子を見ていたさとりは……しかし、やはり微笑を湛えつつ、小さく、呟く。

さとり「……私はD組、幻想郷を筆頭に多数の強豪国に囲まれたグループ。
    はっきり言って、決勝に上がるのは至難の業でしょう」
若林「……ふん、今更、弱気にかられているのか?」
さとり「いえ、まさか。 むしろ、逆ですよ」

言いながら、さとりはキーパーグローブを外し……そっとゴールへと視線を向ける。
横は7.32メートル。縦は2.44メートル。
このゴールの大きさに比較をすれば、ほんの小さなボールを。
この大きくぽっかり口を空けたゴールへ入れるのが、サッカーの基本ルール。
さとりや若林の役割は、その小さな小さなボールをゴールに入れないよう……体を張って阻む事。
文字にしてみれば、なんとも途方に暮れるかのような話に思える。

さとり「何点も決められればザルと呼ばれ、疎まれ、蔑まれる。
    一度の失敗が取り返しのつかない事になり、どれだけ成功しても試合終了の笛が鳴るまでは安堵をする事はできない。
    ……一度は、心が読めるというだけでこのポジションを選んだ事を悔やみました。
    もっと華やかなFWやMFが良かったとも、思いました」
若林「………………」
さとり「でも……今は、逆に楽しみなんです。
    大会に出てくるあらゆるストライカーのシュートを止めて、驚く顔を見るのが」
若林「……それがGKの楽しみ、愉悦感というものだ」
さとり「ふふ……ただ、やはり少し怖くもあります。 また蔑まれる事になるのではないかと、不安にもなります……」


0ch BBS 2007-01-24