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1- レス

【ボクは】キャプテン平凡【翼太郎】


[319]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/20(日) 22:09:47 ID:???
     〜控え室・試合終了時〜

     ピーーーーーーーーーーーーーーー!

翼「……!」
控え室まで聞こえた長い笛の音に、翼は身体をびくりと震わせる。
翼「試合が……終わった」
結果は誰に聞くまでもない。ある意味翼自身が一番それを知っている。
前後半60分、延長前半10分、退場になるまでの後半約5分。
そして、退場してから試合が終わるまで、ピッチに立つことの出来なかった5分。
雨に濡れた体は既に乾き始めている。肌に張り付いた泥は乾いて砂になっている。
身体の熱は冷め、早かった息は落ち着き、早鐘のように拍っていた鼓動は静まって、痺れるような全身
の疲労は、時間と共に癒えた。
にも関わらず、翼は外で雨に打たれている21人の誰よりもやつれて見えた。
翼「……僕は……何故こんな事に……どこで……何を間違えたんだ……」
誰もいない控え室で、翼は虚空へ向かい問いかける。
答える者は居ない。それは翼も知っている。しかし、それでも翼は呟かずには居られない。
翼「どこで……何を……」
再び答えるもののない問いが虚空に放たれる。それはさざ波のように小さな部屋を満たし、白い壁に
阻まれ、吸い込まれるように消える。
……筈だった。


0ch BBS 2007-01-24