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【楽な戦い】Another-C_4【なんて無い】


[964]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/23(月) 18:47:09 ID:???


アルシオン「見た、バンビーノ!? すっごいだろー!」

ジョバンニ「す…すごいって言うか……な、なんなの? キミって一体……
       い、今のこれも、そのジョアンさんって人がアルに教えて…?」

あまりの出来事にジョバンニは口を震わせ、ギリギリで言葉を返すが…
それをさせているアルシオンは何食わぬ顔で笑顔のまま答えてくるのだ。

アルシオン「ううん、これはジョアンさんが教えてくれたんじゃないよ。」

バンビーノ「じゃ、じゃあ最初からこんな滅茶苦茶な事が出来たの…?」

アルシオン「最初からって言うか…… あれ…、いつから出来たんだっけ…」

アルシオンは笑顔を失い、自分自身に疑問を投げかけた。
それは演技ではなく、本当の疑問である事がその表情から判伝わってくる。

ジョバンニ(もしかして自分が何者なのかも判らないの…? アル、キミは……)

彼は自分が何者なのか、何故こんな事が出来るのかをどうやら判っていなかった。
ジョバンニは、彼がつい半年ほど前から記憶のほとんどを失っている事を知らない。
そしてジョバンニのこの問いかけはアルシオンに対して自分の中の記憶の断面を…
ポチャン…と記憶の泉に投石され、それによって舞い上がった水底の砂粒を掬うかのように
何かを思い出させようとしていた。



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