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【弟くんの】キャプテンEDIT31【初陣】


[754]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/05/07(土) 05:26:42 ID:???
大前(日本一になった後のこと? ……考えていたことは、漠然としたことだけだった。
このまま卒業して、高校に行って……それでまた早瀬さんや長池さんととサッカーをやるんだろうな、ってくらいで。
でも、今菱野さんが不安に思っているのは、そう言うことじゃない気がする。
中学を卒業して、高校も出て、その後。俺はどう生きていく気なんだ?)

サッカーを辞める、などという選択肢は無い。
今ではサッカー抜きの人生など考えられないし、それが一番得意なことでもある。
だが現在、日本のサッカー事情は暗い。
プロリーグは無く、この道で食べて行こうとすれば、どこかの企業のサッカー部に加わるか、それこそ海外にでもいくしかない。

大前(海外? ま、まさかっ。何を途方も無いことを考えているんだ、俺は……)

だが、その言葉の響きに、抗いがたい魅力を感じてしまうのは否定しようがなかった。
全国に出場して活躍すれば、協会の目にも止まり世代別代表への道も開ける。
そして更に代表でも活躍を重ねれば……海外のプロチームの門戸を叩くのも不可能ではない。

菱野「……お気づきになられましたか、大前さん? ご自身がお持ちになっている可能性に」

大前「…………」

何を馬鹿な、と。そう一笑に伏すことは出来なかった。それは今までのサッカー人生への冒涜ですらある。
今まで倒してきた敵に、これから倒すべき敵に敬意を抱くのならば。
そして、それを為してきた、為しに行く自分に自負を抱くのならば。
……それだけは決してしてはいけないことだった。

大前「……ああ、分かったよ。もっと遠く、広い世界でのプレイ、か。想像したこともなかったなァ。
いや、サッカーを始めたばかりの昔には少し考えたけど……そう、いつの間にか忘れていたんだ」

菱野「大前さん……」


0ch BBS 2007-01-24