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【弟くんの】キャプテンEDIT31【初陣】
[762]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2011/05/07(土) 05:38:47 ID:???
… … …
気が付くとそこは、安手の民宿の一室だった。
どこをどうしてここまで辿り着いたか、まったく憶えていない。
菱野の腕を引いた感触が掌に残っている。
その手を優しく引いていたのか、それともはやる気持ちのまま乱暴にしたのか。その事すらおぼろだった。
部屋を取る時に宿の人間と話したはずだが、さてそれをどうやり過ごしたのだったか。
ただ、宿帳に適当な偽名を書きいれたことだけは、何故か記憶していた。田中とか鈴木とか、そんなありふれた名前だったと思う。
菱野「あの……身体、拭い終わりました……」
そんなどうでもいい思索を、おずおずと菱野の声が打ち切った。
――床に就く前に、身体を清めたい。
先程、菱野からそんな要望を聞いたことを思い出した。
シャワーならプールから上がった後に浴びたはずだが、ここに来るまでの道すがらに汗を掻いている。
風呂は備え付けられておらず、借りるのも気恥かしかった折衷案が、濡れ手拭いで身体を洗うことだった。
それが終わったとの報告に、大前は無言で肯く。
……頭に血が上ってボウっとする。下腹では火達磨になった蛇が暴れているように、悪戯に急きたてられる感覚が沸き上がる。
しゅるりと衣擦れの音がした。
帯で留めず肩から羽織っていただけの浴衣。それが頼りなく床に落ちる。電灯が切られたままの部屋に、白々としたシルエットが浮かんだ。
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0ch BBS 2007-01-24