【決勝の】Another-C_5【先にあるもの】

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[38]アナカン ◆lphnIgLpHU ：2011/05/15(日) 17:03:27 ID:???

日本サッカー協会の進めている戦略…それは三杉にとって透けて見える物であった。
大空翼と森崎有三がブラジルのクラブチームで最大限成長するようサポートを決めた時から明らかではあった。

三杉（全日本ユースは森崎と翼くんが戦術の中心となったチームになっていくだろう。
　　　　森崎がＤＦ陣を取り纏めてゴールを守りきり、翼くんが中盤を制して敵を崩す…
　　　　翼くんは時に自らが得点を奪い、時に日向に対して決定的なパスを送る…。
　　　　そしてブラジルのクラブユースで個を磨いた彼等は、その戦術に疑問を抱かないだろう。）

しかし三杉は堅く信じていた。
“そんな物はトップの世界においては戦術でも何でもない”と。

三杉（ユースの世界…まだ個人技の方がチーム力を揺るがす次のＷトーナメントでは通用するかも知れない。
　　　　だがそれ以降、同期のライバル達が本格的最先端の戦術を身につけるトッププロの世界では無理だ。）

もう一つ根拠がある。
絶対的な中心選手を定めたチームの脆さを三杉は知っていた。

三杉（それにもし…そんなチーム作りをしていて、翼くんが怪我やカードで試合に出れなかったらどうなる？
　　　　精神的に、戦術的に彼の穴を埋める事が出来る選手を作る事を協会は考えているのか？）

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