※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

【ロリっこ】幻想のポイズン52【ぱらだいす】


[177]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/06/01(水) 03:12:49 ID:???
さとり「(……初戦から、敗北。
     しかも、2点も奪われて……なんて……なんてザマですか……道化にも程がある……)」

そして、フィールド上では……整列を終えた両チームの選手たちが、それぞれ控室へと戻り始めていた。
そんな中でこの試合に挑むにあたり、当初は無失点で切り抜ける事を目標としていた古明地さとりはといえば……。
あまりにも無様な今日の試合の出来を考えて、思わず涙ぐみながら通路を歩く。
足取りは重く、表情は冴えず、今にも消え去ってしまいそうな程までに、その背中は小さく見えた。

ピエール「(俺の責任だ……俺が……ヘルナンデスを相手にスライダーシュートを決めていれば……!)」
ナポレオン「(くそっ! 俺のメガキャノンシュートでも駄目なのかよ!? どうすりゃ……どうすりゃいいんだ!!)」

否――落ち込んでいたのは、何もさとりだけではない。
フランスの主柱であるピエールとナポレオンの両者は、自分たちの実力がまるで通用をしない事に焦りを感じていた。
今日の試合、守備ではそれなりに活躍をしていたものの攻撃となるとまるで駄目だったピエール。
自慢の新技を駆使しても、二度もそのシュートを阻まれたナポレオン。
彼らに自責の念を感じるなと言う方が、無理であろう。
ピエール、ナポレオン、さとり――フランスJrユースの主柱である三人が目に見えて落ち込んでいては、
当然ながらそのムードは周囲に伝播し。
その他のメンバーたちも、揃って視線を落として終始無言のまま控室へと戻っていくのだが……。

こいし「おかしいよ……なんでよ……!」
さとり「こいし……」

そんな空気の中、不意に通路に響くのは一人の少女の涙交じりの声。
その声を聴いて一同が一斉にそちらに振り返れば……こいしは両手で自身の顔を覆いながら、さめざめと泣いていた。
誰もが足を止めてこいしを凝視しようにも、こいしは一向に泣き止まない。
彼女は何故泣いているのか……姉であるさとりが、あまりにも惨めにゴールを奪われたせいか。
確かに、それもまた彼女が泣いている一つの要因ではあった。
だが、こいしが泣き腫らす根本的な原因はさとりには無く――フランスJrユースの、主柱"以外"のメンバーにあった。


0ch BBS 2007-01-24