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1- レス

【最終兵器】Another-C_6【ファンタジスタ】


[965]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:13:43 ID:???

紫と呼ばれた少女(?)は自らの従者(以下、藍)の言葉で異変の重大さを確信した。
結界の監視を藍に任せているのは、能力を満たす事は勿論、自身よりも真面目で几帳面だからである。
その藍が見逃したり見過ごしたりするという事は通常考えられない。

紫「確かに結界は破られていないわ。
   けれど破損・・・と言う言葉が適切か判らないけれど、穴が空けられている。」

藍「えっ・・・!? そn」

紫「戯れじゃないわよ。 とにかく私は現場へ行く、貴女も着いて来なさい。」
省27

[966]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:15:22 ID:???

日傘を手に取り、紫は躊躇いなくそのスキマに飛び込む・・・と同時に飛び出していた。
すると、そこは森の中・・・・・・木と葉の隙間から僅かばかりの陽が差し込む森の中だった。

藍「ここは・・・博霊神社の森?」

すぐ後ろからスキマを飛び出してきた藍が、今この場所が何処なのかを口にした。
外の物(人間)がこの幻想郷に流れ着く場合、大概結界の境であるこの場所からである。
それ自体は何ら不思議ではないが、それを自身が全く察知出来なかった事について、 省21

[967]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:16:27 ID:???

藍「ゆ・・・紫様・・・! ま、まさか・・・!」

紫「そう、そのまさかよ。」

藍「まさか壮大な自作自演だったとは・・・! ほ、本当に困りますっ!!」

紫「なっ?」 ガクッ

そこにあったのは、紫が今しがた作り、消した物と同じ物(?)であった。
即ち“スキマ”である。
これを作り出せるのは幻想郷で、いやこの世界で八雲紫しか存在しない。
故にこそ、これは八雲紫による自作自演のイタズラ・・・と、藍はそう判断したのだ。
省26

[968]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:17:42 ID:???

藍「紫様・・・」

いまだに疑問の晴れぬ藍が何やら問い掛けてきた。
紫は『なあに?』と短く返答する。

藍「あのスキマを作り出した者に・・・紫様は心当たりがお有りなのでしょうか?」

紫「ええ、よく知っているわ。 ・・・藍、貴女もよく知る人物よ。」

藍「私も・・・?」

紫「ええ、ほらあの娘。」

向かう先で一人の人物が空から降り立った。
少しウェーブのかかった金髪の少女・・・年齢は18かそこらであろうか? 省15

[969]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:18:48 ID:???

紫「藍、悪いけれど私はあの娘とは接触出来ないの。
   私はスキマから声を送るから、あの娘を呼び止めなさい。」

藍「えっ? あの・・・」

紫「いい、決して殺意や敵意を発しない事。 頼んだわよ。」

それだけ言って、紫は自ら作り出したスキマの中に姿を消した。

紫(さて、藍は困惑しているでしょうけど・・・他にどうしようもないわ。
   私は例外だと思いたいところだけれど、こればっかりは試すわけにもいかないしね。)

スキマの中で紫はタイミングを待った。 省17

[970]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:19:50 ID:???

紫「改めて初めまして、異界のエトランゼ。 私の名は八雲紫。
   目の前に立っているのは私の従者である八雲藍。」

(???「声だけ・・・? ふぅん・・・さすが夢の中、こういうのも有りよね。
      初めまして紫さん、私はマエリベリー・ハーン。」)

紫「そう、マエリベリーなのね。」

(メリー「ええ、発音の下手な友人からはメリーと呼ばれているわ。」)

紫「ふぅん・・・それではメリー、実はもうそろそろ夢の時間は終わりなの。 省27

[971]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:20:53 ID:???

1−2)彼方U

紫「さて・・・無事解決した事だし、私は帰って寝直す事にするわ。」

藍「その前に紫様、今回の事は一体どういう事なのでしょうか?」

事の全貌どころか部分も理解出来ておらず、説明すら与えられない事に対し、
忠実な従者である藍も流石に少しの不平感を匂わせて問うてきたのだった。
『面倒臭い』と頬を軽く掻く紫であったが、思い直して藍の方へ顔を向ける。

紫「藍、多元宇宙という言葉は知っているかしら?」
省25

[972]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:22:36 ID:???

話を聞いて尚もポカンとしていた藍だったが・・・やがてハッとしたような顔を見せた。
そこからは『なるほど、そうか・・・』と漏らしながら、思考をしている様子を見せる。
おそらく起こった出来事、見た物を解釈と照らし合わせ、今回の事件のパズルを組み立てているのだろう。

藍「なるほど・・・紫様が『私もあの少女の事をよく知っている』と仰った意味が解りました。
   俄かには信じ難いですが、確かにあの少女を見た時に何やら感じ入る所もありました。 省28

[973]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:23:42 ID:???

藍「むむ・・・では、マエリベリー様がスキマを作って幻想郷に入り込んだ事については?」

紫「あの子もその他の世界の私とは少し違う・・・少し特別な存在なの。
   私とは同一ではないけれど、境界を視て認識する程度の力は持っているわ。」

藍「では今回の事は、マエリベリー様が持つ力を幻想郷が引き寄せた・・・?」

紫「恐らくね。 仮にあの子がこの基本世界の外に存在していたとしたら、
   その能力を以って、幻と実体の境界と常識の境界を飛び越えて幻想入りするのは必然・・・。 省24

[974]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:24:43 ID:???

紫「・・・私の知識の中のマエリベリーは、私と同じ能力は持っていなかった・・・それは確か。
   あくまで境界を視る程度の能力で、それ以上でもそれ以下でもなかったわ。」

藍「・・・とすると、外的要因でしょうか。
   そう言えば、先程のマエリベリー様は今の状況を夢と仰っておりました。
   それに何やら実体を感じられず・・・・・・そう、念体のようでしたが、それが何か関係が?」

この藍の言葉に、紫はこの日初めて嬉しそうな顔を見せた。
省31

[975]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:26:20 ID:???

紫「フフ、ほとんどの世界の私はパトリック・ラフカディオ・ハーン・・・つまりは小泉八雲の・・・
   東洋と西洋の両方を生き、幻想を愛した随筆家の・・・その孫として平穏な一生を終えるだけの存在。
   けれど、あのマエリベリーだけは一風違ったハーンの血族の中に居る・・・。
   それが関わっているかは判らないけど、彼女の可能性については無限としか言い様がないわね。」

藍「場合によっては・・・あの方が幻想郷をもう一つ創造する事も有り得るのでしょうか?」
省25


0ch BBS 2007-01-24