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【敵味方問わず】幻想のポイズン53【白黒判定】


[208]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/07/13(水) 00:41:46 ID:???
観客「フランちゃんがいないならもうこの試合見る必要ないな。あ、お疲れした」「今、酷いロリコンを見た」
  「おいおい、大丈夫かよイタリア……」「それでもケロちゃんなら……ケロちゃんならきっとドリブルゴールとかしてくれる」

そして、観客たちのボルテージは最高潮に達し、喧々囂々の罵声とも歓声とも取れぬ声が溢れだす。
後半残り時間はまだ半分以上残っている段階での、爆発的な決定力を持ったストライカーの退場。
これはここまで試合を有利に運んでいたイタリアにとって致命的な痛手となるのは、誰の目にも明らかであった。

そして、この判定を受けてしばし固まり、掲げられていたレッドカードをうつろな瞳で見ていたフランドールは……。

フラン「……は? 何? なんで? なんで私が退場なんかしなきゃいけないの?」
諏訪子「(うおっ、やばっ!?)お、落ち着けェ!」

その首を傾げて、何とも可愛らしいしぐさをしながら……しかし、周囲の背筋を思わずゾクリと震わせる程の殺気を放ちつつ口を開く。
これを見て、このイタリアのツートップを務めるフランドールの相方の諏訪子は慌ててフランドールの肩を掴み落ち着くように促す。
見た目は変な帽子をかぶった少女といえど、彼女もまた強い力を持つ神様。
外の世界でこの悪魔の妹に好き勝手暴れさせる訳にはいかないと必死に抑えようとする。
だが、幼い外見ながらも精神的には大人である諏訪子と違い、フランドールは見た目通り、やや精神年齢が幼い。
そもそも彼女の場合、自身のプレイが何故反則を取られたかのすら理解をしていなかったのだから、この状況に理不尽を感じていたのである。
諏訪子を引きはがし、審判に詰め寄ろうとするのだが……。

ヘルナンデス「フランドール!」
フラン「!!」

しかし、その背後からかけられた声を聴いた瞬間、フランは体をびくりと震わせ動きを停止させた。
ゆっくりとそちらへと振り返れば……ゴール前に佇むヘルナンデスが、厳めしい顔つきでフランドールを見据えていた。
いつもならばフランドールの事を「ちゃん」付けで呼び、にやにやとだらしない顔をしている彼が。
異様なまでにキリッとした表情をしているのを見て、フランドールは少しずつではあるが頭が冷えてゆくのを感じていた。


0ch BBS 2007-01-24