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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】


[498]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/02(水) 17:56:08 ID:???

何分か・・・何十分かが経過しただろうか。
まるで時間が止まっていたかのように、誰も彼もが押し黙り続けている。
現実を受け止めたくないと言う気持ちが余りにも大きいせいだ。

フィオレンティーナの選手達にとって、アンザーニはただ監督というだけに収まらなかった。
心の拠り所と言って良かった。
通常のユースメンバーとは違う扱いの三杉達は、組織の中では孤立した立場であった。
メインチームやバックアップスタッフと関わる機会のない、区別された11人だけのチーム。
その中でアンザーニは、ジョアンを除けば頼る事の出来た唯一の大人であったのだ。
三杉をはじめとしたフィオレンティーナのメンバー達の喪失感たるや、我々の想像を遥かに越える。

ジョアンとしても、本来ならば合併症や後遺症の不安をこの場で敢えて話す気はなかったが・・・
しかし現状がこれほど深刻であれば、遅かれ早かれ知られてしまう事だった。
・・・つまりはアンザーニが指揮棒を再び手に執る可能性はほぼゼロだという事。
故に『今』、ジョアンとしてはここまで話しておくしかなかった。

三杉(まだ・・・信じられない・・・・・・・・・・・・)

三杉は現実を認めたくなかった。
しかしもう一人・・・遠くで自分を見ている自分が『それではいけない』と言っている気がした。
三杉はキャプテンとしてこの沈黙を破らなければならなかった。
現実を受け入れられない仲間達を現実に引き戻し、そして歩き出すよう促さなければならなかった。
何故ならば、アンザーニという偉大な監督がそれをしてくれる事はないのだから。



0ch BBS 2007-01-24