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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】
[840]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2011/11/25(金) 19:29:13 ID:???
シ―ン――――――――
観客が一人も居ないフィールドは静けさに満ちていた。
一年前に行われたボルドー戦も、同じような環境だった事は覚えている。
しかしあの時とは心境にも大分変化が起こっていた。
『負けたくない』という気持ちは変わらない・・・しかし持たざる者だったあの時とは違う。
完全に上を見上げるだけだった100%挑戦者の気持ちではない。
今は横を見回すと、鎬を削ったライバルが沢山居る。
『ライバルには負けたくない』・・・あの頃よりも気持ちが強まっているのは当然だった。
しかし状況は圧倒的不利である。
アンザーニ監督が目を覚まさぬという不幸・・・精神的にビハインドを負っているのは明らかだ。
だが・・・ジョアンの言葉に嘘がなければ、相手は強い選手を11人集めたチームなのだ。
三杉の思想からすれば、チーム力と戦術で覆せなければいけない≠フだ。
それに気付くだけの精神的な余裕が彼にあるかどうかは判らない。
しかし気付いておらずとも、彼は本能でソレを理解している事は疑いなかった。
悲壮感を漂わせながらセンターサークルに入った三杉は、この時カンピオーネのキャプテンと対面した。
ブロンドの髪を肩くらいまで伸ばした、大層端整な顔立ちの少年・・・彼こそがアルシオン。
ジョアンが三杉に『絶対勝てない』と告げたこの選手を、三杉は何処かで見た覚えがあった。
・・・しかし、それが思い出される事はなかった。
それよりも彼の碧眼が、余りに暗く昏(い)色に沈んでいる事が気になったからである。
アルシオンは一言も喋ろうとせず、ただフィオレンティーナのゴールだけを見つめていた。
彼の目には三杉はおろか、他の誰一人も映っていないのではないかと思うほどに。
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0ch BBS 2007-01-24