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【刻の涙を】ライ滝第十八話【見せてやらあっ!】


[964]ラインライダー滝 ◆lLi06nuZOA :2011/11/09(水) 23:30:12 ID:???
片桐さんから見た生田(仮)評→ダイヤ6
→「台風の目になるかもしれないな」


 片桐宗政という男は昨年Jrユースを制した所謂「黄金世代」に対して並々ならぬ期待を寄せている男である。
 その期待はともすればJrユースに選出されなかった者達を軽視する程の域に達しつつあったのだが――

片桐「くじ運もあったとはいえ夏の全国ベスト4を圧倒するだけの実力、中々面白いチームだ。
   守備の堅さは元より突破はやや滝に頼りがちだったが攻撃パターンも多い。この冬の大会の台風の目になるかもしれないな。
   それに敗れたとはいえ頑駄無高校にも優秀な選手は多かった。
   この先しばらくは黄金世代だけが絶対的な強者になると思っていたが……」

 そんな認識を僅かでも改めさせる程に、この試合で両チームの選手達の見せたパフォーマンスは素晴らしいものであった。
 と、不意に片桐の横に座っていた観客が口を開く。

観客「ふん、当たり前や。Jrユースに出た奴だけが勝ち組やないで。ぼやぼやしとったら後ろからばっさり。それが勝負の世界や。
   おっさんサッカー協会かなんかの関係者っぽいのにそんな事も知らんのかい」

片桐「む。君は?」

騎場「騎場拓馬。今はしがない県レベルのFWや。けど今から二年以内には全国に名を馳せたるさかい、覚えといて損はないで」

 普通に考えれば真に受ける事もない言葉。だが、片桐は横に座る少年の不敵な笑みと闘志に満ちた瞳に、確かな説得力を感じていた。

片桐「……騎場拓馬か。覚えておこう」

 短くそう告げると、片桐は紫煙を燻らせながら立ち去って行った。


▼片桐に心境の変化が起こりました


0ch BBS 2007-01-24