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【待ち受ける】幻想のポイズン54【天才たち】


[142]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/27(木) 23:54:09 ID:???
『魔理沙、このノートは私からお前に教えられる全ての事柄を纏めたものだ。
 サッカー然り、魔法然り、私の、私なりの思想、考え、訓示を記している。
 お前はまだ幼い、故にしばらくはこの本に書かれている事を反復で練習し、覚え、習い、成長していきなさい。
 そうすればお前は、いつかきっと私が教えられる事がなくなる程の魔法使いへと変貌している事だろう。
 やがて、この本だって必要なくなる。それ程までにお前は成長してくれる筈だ。

 ただ、それでもこの本をお前の傍に置いている事があるなら……その時は、時々でいいから思い出してほしい。
 お前に魔法を教えた者がいた事を、お前にサッカーを教えた者がいた事を。
 そして、もしも何か壁にぶつかった時は、この本を開いて欲しい。
 私はいつでもお前の力になる。
 その時まで、このページはじっくり読んでもいいし、読まなくてもいい。
 どちらにしろ、必要な時でなければ意味はわからないだろう。




 ――どうした? 今が必要な時か? このページを読む、壁にぶつかった時か?
 ……そうか。 ならばお前は、あの時から何年も経て成長をしているんだろうね。

 年はいくつになった? からだは丈夫か? 満足に暮らせているか?
 家族とはいい加減仲直りしたか? いい男の1人でも引っ掻けたか?
 私はいつでもお前を思っている。お前を案じている。誰よりも幸福な日々を暮してほしいと。

 もしも壁にぶつかり、立ち止まってしまった時、このページを読んでいるとしたら……。
 その壁に立ち向かう決意が無いなら、この先は読まずこの本を燃やして欲しいと願う。
 それを恥じる事は無い。人間は、誰しもが強い訳ではない。誰しもが、苦難に立ち向かえる訳でもない。
 平穏無事。安息を求める事は、逃げではないんだ。それは、人間が人間として生まれたからこそ得られる欲求なのだから。
 私はお前に強制はしたくない。茨の道を歩みたくなければ、真っ当な道に戻るのを勧める。
 それでもいいというのなら、次のページに進みなさい』


                        ペラリ


0ch BBS 2007-01-24