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【待ち受ける】幻想のポイズン54【天才たち】


[155]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:38:14 ID:???
ポタ… ポタ…

全てを読み終え、閉じた本の上に数粒の水滴が零れ落ちる。
それは霧雨魔理沙の流した涙であった。

魔理沙「魅魔様……」

溢れる涙をそのままに、魔理沙は涙と鼻水でぐじゅぐじゅになった顔のままノートをそっと胸に抱いた。
そこに、魅魔の魂を感じた。 そこに、魅魔の存在を感じた。
勿論、そんな筈はない――魅魔は今頃、外の世界で魔界Jrユースとして戦っているのだから。
だが、魔理沙は確かに感じた。感じ取った。 だから魔理沙は考えた。
これは、魅魔が残してくれた"魔法"なのだと。

やはり魅魔という存在は、魔理沙にとって大きなものだった。
魔理沙の抱えていた問題を、悩みを、苦悩を、全て打ち砕き――救い出してくれた。

魔理沙「そうだ……わかりきっていた事なんだ。 私に才能が無い事なんて、とっくの昔に。
    だから……だから私は努力をして……それだけできっと満足していたんだ。
    それだけで追いつける筈が無い。 追い越す事も無い。 天才にただ努力しただけで追いつける筈が無いんだ。
    考えなきゃいけなかったんだ。 考えるんだ……私は魔法使いなんだから……!」

やがて魔理沙は涙をぬぐい、鼻水をかみ、寝間着からいつものエプロンドレスへと着替えた。
どうしたらいいのか、これから何をすべきなのか、何をするのが楽しむ事に繋がるのか。
魅魔の言葉を聞いた魔理沙に、迷いは無かった。 既に心は晴れていた。
今まで溜まっていた胸のどす黒い感情が、霧散したようでもあった。

魔理沙「まず、まず私がしなきゃいけない事……そうか、そうだな。 それは決まってるぜ」

そして、決断も早かった。


0ch BBS 2007-01-24